2050年度までにエネルギー使用によるCO2排出をゼロにする目標を発表した。購入電力の100%を再エネに転換し、自家発電では水素を活用するという。

 富士フイルムグループはCSRの基本方針として、誠実かつ公正な事業活動を通じて企業理念を実践することにより、社会の持続可能な発展に貢献することを掲げている。

 2014年には「事業を通じた社会課題の解決」「事業プロセスにおける環境・社会への配慮」を両輪とするコーポレートスローガンである「Value from Innovation」を掲げ、持続可能な社会の実現に取り組んできた。

 その後、2015年に「持続可能な開発計画(SDGs)」や「パリ協定」が採択された後の国際社会における動向を踏まえて、2017年8月、従来の中期CSR計画を発展させた長期的なCSR計画「Sustainable Value Plan 2030(SVP2030)」を発表した。同社の「サプライチェーン」「ガバナンス」という事業基盤を一層強化しながら、「環境」「健康」「生活」「働き方」という4つの社会課題の解決に取り組むと宣言している。

 このうち「環境」については2030年度までの具体的な数値目標を掲げ、今世紀後半における産業革命前と比べた世界平均気温の上昇を2℃に抑えようという「2℃目標」にも貢献する考えだ。

 まず、自社の生産や販売などの事業活動におけるCO2排出量を、2030年度に2013年度比で30%削減するという目標を掲げ、全ての拠点で省エネ、エネルギー使用の効率化に取り組んでいる。

 同グループでは2017年の計画開始から2030年の目標年までに累積で5000万tのCO2を排出すると予測している。環境配慮型の製品とサービスの普及により、2030年度までに累積で5000万tのCO2削減貢献を目指す。 

 「環境配慮型の製品やサービスの普及により社会のCO2削減に貢献し、自社の事業活動からのCO2排出をオフセット(相殺)することを目指している」と、 富士フイルムホールディングス経営企画部CSRグループの中井泰史統括マネージャーは説明する。

※2030年度には「富士フイルムグループがライフサイクル全体で排出するCO2の累積量」と同等レベルの「社会でのCO2削減への貢献」を目指す
(出所:富士フイルムホールディングス)

 とはいえ、環境に配慮した製品を世に送り出しても、その効果が認識されなければ製品は普及せず、CO2削減貢献にはつながらない。この課題を解決するため、独自の環境配慮製品認定制度である富士フィルムグループ「Green Value Products」認定制度を導入した。自社製品のライフサイクルにおける環境負荷低減効果を評価し、ランク分けして、顧客に分かりやすく示している。

 環境配慮型製品にはこういったものがある。磁気テープを使用したデータストレージアーカイブシステム「dterityオンサイトアーカイブ」は、わずかな電量でデータを保管することができる。消費電力が大きいハードディスクドライブにデータを保管する場合と比べて、大幅な省エネになる。

 また、富士ゼロックスのデジタルカラー複合機「ApeosPortC7773 / C6673 / C5573 / C4473 /C3373 / C2273」は、待機時の電力消費を大幅に抑えながらスリープモードから素早く復帰する「体感待ち時間ゼロ」の機能が特徴だ。