西日本豪雨の混乱を教訓に、非常事態を想定した初動計画を推進する。環境に関わる企業として資源循環型社会の構築を目指す。

 未曾有の災害となった、2018年の西日本豪雨。岡山県倉敷市は7月6日の雨で複数の堤防が決壊し、とりわけ真備地区は大規模浸水で50人以上の命が奪われるなど、被害が深刻化した。

 7日の深夜、岡山県内の廃棄物処理を担うNIK環境の代表取締役、吉田栄一氏のもとに、倉敷市の担当者から電話が入った。

 「すぐに一般家庭の畳を処理してほしい」。畳は一定の温度と水分があれば、微生物により発酵して熱を持ち、自然発火することがある。浸水した畳を数日放置すると、火災が発生する危険があるのだ。振り返れば東日本大震災でも、畳の処分が問題になった。

 NIK環境の本社は真備地区から25km離れていたため豪雨の被害はなく、すぐさま対応に当たることができた。重機を現場に入れ、一般家庭から水を含んだ畳を運び出し、住宅がない仮置場に移動させる。畳は焼却炉に持ち込めるサイズに裁断し、倉敷市の施設で処分した。2018年の8月いっぱいまでは夜遅くまで災害ゴミを収集してまわるなど、休む暇もない忙しさだった。

倉敷市真備地区は、浸水した家から運び出され粗大ごみであふれかえった(左)、重機による畳の処分作業。水を含んだ畳は発火の危険があり、迅速な対応を迫られた(右下)(写真提供:NIK環境)

 吉田氏は、「倉敷市内の廃棄物処理会社も被災しており、あまりの状況に行政の災害対策も追いつかない様子だった。大型ダンプが入れないところはどうするか、重機はどれくらい必要かなど、現場で対応に当たった」と、当時を振り返る。

 災害直後に比べてやや落ち着いたものの、現在も被災した地区の建物解体やリフォームから出る災害ゴミの収集・廃棄が続いている。通常の一般廃棄物、産業廃棄物の処理業務に並行して、2020年10月までは、災害ゴミの処分を続ける予定だ。