照明や映像技術も駆使

 その過程のなかでパナソニックが提案したのが、水素やエネルギーマネジメントを活用するアイデアだった。そのほか、どのような照明を配置すれば、エネルギー消費を少なくしながら、美しい夜景が実現できるかといった街区照明なども提案した。「街づくりが官民連携でうまく進められ、魅力的な街づくりが可能になった」(永田氏)。

 HARUMI FLAGは、住んでいる人だけではなく、訪れた人にとっても魅力的で、「人を集める場所」になることを目指している。駐車場や物流施設を地下に設置し、地上は広々とした緑地として整備する。多様な人々が交流できるように、住民だけでなく、外から訪れた人も中庭に入ることができるよう工夫した。まさに、住んでよし、訪れてよしという街が出来上がろうとしている。

 ただし、東京五輪・パラリンピック大会中は選手村として使用するため、一般の人がこうした設備を体験することができない。街の魅力をどう訴求すればよいか、その方法を考える必要があった。

 「模型やCGを使用しても、海に囲まれたスケールの大きな景観や、緑に包まれた美しい中庭の素晴らしさなどをうまく伝えることは難しい。その魅力をどう伝えればよいかを考えた結果、パナソニックが持つ最新のVR(仮想現実)映像技術を活用することにした」(永田氏)

 眼鏡をかけずに見えるVRシステム「VIRTUAL STAGE MIERVA」(ミエルバ)によって、複数の人が上下左右ともに最大約180度のVR視聴ができる。従来のモデルルームでは、固定の静止画像を複数組み合わせて見るようなものが多かったが、VIRTUAL STAGE MIERVAでは、臨場感あふれる映像を提供している。

 全世界から人々が集まる2020東京五輪・パラリンピックはまもなく開幕する。この歴史的な大会を契機に、再び東京が、そして日本が大きく変わろうとしている。その転換点において、パナソニックは水素エネルギーや燃料電池などのエネルギー技術を通して、サステナブルな都市づくりに貢献している。ここで得たノウハウは今後、世界のサステナブルな街づくりに役立てていきたい考えだ。