コンビニの店舗省力化

 循環経済ビジネスの例はほかにもある。金属カンパニーはリサイクルがしやすいアルミを取り扱う。自動車部品などをアルミに置き換え軽量化すると、燃費が向上することもあり、素材としての注目度が高まっている。またエネルギー・化学品カンパニーは、米テラサイクルと提携した。同社は「捨てるという概念を捨てよう」というミッションのもと、歯ブラシで植木鉢を作るなど様々な製品のリサイクルを実現している。この提携を通じてグローバルに協業し、特に日本とアジアにおけるリサイクル事業の展開を推進していく。

 天然ゴムのトレーサビリティーに着目したのは、住生活カンパニーだ。日々の生活に不可欠な天然ゴムは、今後も需要の伸びが見込まれる一方、東南アジアの生産国では、森林減少や地域住民の権利侵害などの課題も報告されている。持続可能な天然ゴム取引のため、ブロックチェーンを用いたトレーサビリティーシステムの開発に乗り出している。

 店舗の省力化のためバーコード決済機能付きアプリの普及を手掛ける、第8カンパニーの主幹事業会社である、ファミリーマートのプロジェクトも注目されている。

 こうした循環経済のプロジェクトが、伊藤忠全体のビジネスに占める割合はまだ小さい。

 「事業として成長戦略にのせていかなければいけないが、次世代に向けての循環経済ビジネスは企業の姿勢を表す意義もある。それらの事業を継続していくことで、循環経済に寄与していきたい」(田部氏)

 総合商社ならではの循環経済ビジネスの取り組みは、経営レベルから若手社員まで支持を得て、確実に動き出している。