創業100年を契機に社会貢献を軸とした未来型の経営理念を打ち出した。組織活性化と自律型経営の推進に向けて社員が自ら考えて行動できる環境を整える。

 新しいことへの挑戦や、組織を活き活きさせる試みを表彰する――。森永乳業が経営理念の浸透を強化するなかで生まれた、社内表彰制度「Morinaga Milk Awards」の第2回表彰式が2019年11月、銀座エリア最大の商業施設ギンザ・シックスで行われた。

 2年連続「活き活き大賞」を受賞したのは東北支店の社員グループだった。社員の生産性向上、健康増進、長距離運転による事故リスク低減の取り組みが評価された。睡眠改善のコンサルティング会社とタイアップして、支店のメンバーの睡眠をモニタリングし睡眠の質を向上したことで効果を上げた。

 この社内表彰制度は2018年にスタートした。従来の表彰制度は製品の品質向上などの成果を上げた社員に授与していたのに対し、新しい表彰制度は失敗しても挑戦する姿勢や、組織を活き活きさせる活動、働きやすい環境をつくる活動に対しても授与する。

 例えば挑戦へのプロセスを評価する「トライアル&エラー大賞」には支店や工場など3チームが選ばれた。それぞれヨーグルトの製造方法の改善、高級アイスの新しいマーケティング手法、立体倉庫のトラブルを根絶する取り組みなど試行錯誤を繰り返して結果を出したチームだ。

 「イクボス大賞」は部下の育成や労働環境改善などを実現した工場の責任者が選ばれた。優れた商品開発など、食品メーカーの実績に結びつく成果には従来から引き続き「社長賞」「提案年間大賞」を授与した。

 新たな表彰制度を作ったきっかけは、17年に創業100周年を迎え、事業の原点に立ち返るとともに、コーポレートスローガンと経営理念を見直したことだ。新しいコーポレートスローガンを「かがやく”笑顔”のために」とした。「食品メーカーとして健康や美味しさを大切にするのはもちろんだが、最終的には笑顔あふれる社会づくりに貢献したいという思いが込められている」と、コミュニケーション本部CSR推進部の久芳直樹氏は説明する。

■コーポレートスローガンとその実現に向けた取り組み
出所:森永乳業
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 新しい経営理念は、「乳で培った技術を活かし、私たちならではの商品をお届けすることで、健康で幸せな生活に貢献し豊かな社会をつくる」。長年蓄えてきた技術を活用して、社会のために貢献できる商品を提供していく方針を改めて示した。