機関投資家の評価を支える

 同社は非上場企業にもかかわらず環境認証取得を積極的に進め、有効期間が切れた物件についても認証維持に努めている。その理由は、物件価値の向上に加えてESGの観点も重視しているからだという。

「当社の物件をもとにREIT(不動産投資信託)業務を展開するグループ会社の森ヒルズリート投資法人は上場しているので、機関投資家との接点がある。CASBEE-新築は有効期間が5年だが、認証は竣工の2年ほど前に取得するので、竣工後3年程度で切れてしまう。有効期間が切れると森ヒルズリートの格付け機関の評価が下がる可能性があるので、CASBEE認証を維持していく必要があった」と武田氏は話す。

 森ヒルズリートはグリーンビル認証保有物件90%以上を長期目標にしているが、2018年9月末の実績では93.2%を達成。不動産会社・ファンド対象の総合環境認証として欧州で創設された「GRESB(グローバル不動産サステナビリティベンチマーク)」において、森ヒルズリートは環境対策の策定と実行の両面で高い評価を得ており、海外投資家にもアピールにできているという。

GRESBの4象限モデル
*「2018 GRESB Report」に基づき資産運用会社が作成

 現在はCASBEEを中心に置くが、外資系テナントからはグローバルで通用するLEEDへの要望も高まっている。「グループ会社が評価されるには、物件を開発する当社のESG、とりわけ“E”への取り組みが重要。今後は、社会やESG投資の要請に応じてLEED取得を目指すこともあり得るし、人の健康性・快適性を測るWELL認証の取得を検討していく可能性もある」。武田氏は、今後も時代に応じた環境認証の取り組みを進めていく姿勢を強調した。