省エネ対策に重点を置く

 この目標に向けて重要なファクターとなるのが「地球との調和」に関する各種施策だ。第2工場の新棟では最新の高効率省エネ機器や断熱設備を採用するほか、自然エネルギーの活用、排熱や雨水の再利用などによって、徹底的な省エネ化に取り組んでいる。

 例えば、部屋全体ではなく必要な部分だけに空調を行える成層空調システム。生産設備は熱を発するため冷房が必要だが、生産エリアで人が作業する床から高さ2mまでの空間のみ横から冷風を出して空調することで、大幅な省エネを図る。

 そのほか、外気と室内の空気を別々に処理することで省エネを図る個別空調システム、超高効率変圧器の採用や工場内の全照明LED化などで省エネを追求している。

 一方で自然エネルギーも積極的に活用している。建屋の広大な屋根に最大出力約1000kWの太陽光発電パネルを設置、CO2排出削減に向けた貢献を目指す。また、冬期は外気をそのまま取り入れて生産エリアの空調に活用するほか、冷たい外気で空調用冷水を冷やすフリークーリングシステムも導入し、空調負荷低減に役立てている。さらには、年間を通して温度が安定している地中熱をエントランスで利用し、冷暖房効率を向上させた。

 建屋の屋根と外装、窓ガラスには高断熱材料を採用。窓のサイズ自体も小さくし、室温に対する外気の影響を減らす工夫を施した。このほか、生産エリアで出た暖気を廊下やトイレに流す、雨水をろ過してトイレ洗浄水に使う、生産設備の排熱をもとに風や水を適温にする仕組みを作るなど、エネルギー消費を抑制する再利用の仕掛けも取り入れた。

■ 次の50年を見据えた持続的な最先端工場
2018年11月1日に竣工した宮城県大崎市にある古川第2工場の新棟(上)。同工場で製造される製品(左)
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地球環境だけでなく社員の働きやすさにも配慮した、最先端の設備を取り入れた社内の様子。健康に配慮した食事を快適な空間で提供する食堂(左)と快適なデスクワーク空間(右)
(写真提供:アルプスアルパイン)

 「消費電力の削減で温室効果ガス排出低減に貢献できるほか、コストの削減にも寄与し、サステナブルな工場として競争力を高められる」と柏木氏は強調する。