一般職女性を総合職に登用

 同社は女性の活躍推進にも積極的だ。その取り組みの1つが、女性比率が圧倒的に多い一般職を、総合職に登用する動きだ。「一般職でも総合職と同様の仕事をしている従業員がたくさんいる。本人の希望があれば、積極的に総合職へのシフトを進めている」。

 総合職と一般職で決定的に違うのは、全国転勤があるかどうかだ。家庭の都合などでエリアを絞って働きたいという一般職社員は多いが、それで仕事の幅が狭められた結果、人財を生かしきれないケースもあり得る。そこで、これまで通りエリアを限定したまま、総合職として仕事を広げていける仕組みを整備した。サッポロビールの例では、事務系一般職約150人のうち、この施策で2年間に約半数が総合職に移行した。

 福原氏自身、大手ビール会社では女性で初めて、現時点では唯一の生え抜きの取締役だ。福原氏が取締役に就任した2016年、女性従業員を対象にアンケートを取ったところ、将来的に役員を目指したいと答えた割合が就任前の2014年と比較して3倍に増えたという。女性たちの仕事に対する意欲がより高まっていることを、福原氏は実感している。

子供を持つ従業員のために保育所を開設

 2017年4月には保育業者のポピンズと共同で本社ビルに事業所内保育所を開設した。社員の子供はもちろん、恵比寿ガーデンプレイスタワーに入居するテナント企業や地域住民の子供たちも受け入れている。待機児童の問題は社会的課題だ。会社が進んでこのような対策を打つことは、従業員にとって大きな励みになる。現在、グループ全体の女性管理職の半数程度が子供を持つ。これらの施策が効果を発揮し、今後「ママ管理職」がさらに増えていくことを同社は期待している。

 人財に重きを置く取り組みを数多く実施した結果、同社は2017年、仕事と育児の両立支援に力を入れ、高い実績を上げている企業を厚生労働省が認定する「プラチナくるみん」に選ばれた。また、従業員の健康施策が優秀な企業として「健康経営優良法人(ホワイト500)」にも認定されている。

 「近年、就職活動で女性に限らず男子学生からも、こうした取り組みの有無を聞かれることが多い」と、福原氏は若い世代の意識の変化を指摘する。人財への多方面にわたる取り組みが、グループ全体の価値向上に大きく寄与しているようだ。