誉田 広明/三井住友DSアセットマネジメント 投資情報グループ シニアマネージャー

米国で誕生したバイデン新政権は温暖化対策を加速させる。電気自動車やクリーンエネルギーに関わる企業の躍進が期待できそうだ。

 米国では民主党のジョー・バイデン氏が共和党のドナルド・トランプ氏を破って新大統領に就任し、連邦議会は上下院とも民主党が主導するいわゆる「トリプルブルー」となった。また、約1年前に始まった新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は依然として流行が続いていて、世界に大きな影響を及ぼし、人々の生活とともに価値観を大きく変えることとなった。これらの変化は環境問題に対する米国の考え方を変え、世界の動きを加速させることとなる。

新型コロナに揺れた世界

 2020年は新型コロナウイルスの感染拡⼤によって世界は⼤きな影響を受けることとなった。現時点で、世界の感染者数は1億⼈を上回り、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死者は200万⼈を超えてきており、まさに世界的な危機に直⾯している。

 20年の年初、米国経済は好調で株価も高値圏にあったことから、大統領選はトランプ氏再選との見方もあったが、結果はバイデン氏が勝利をおさめ、同時に行われた連邦議会選挙でも上下院とも民主党が制したことからトリプルブルーの成立となった。

 現在も続いている新型コロナウイルス感染拡大はニューノーマル(新常態)への移行をもたらし、人々の価値観や行動意識に対しても大きな変化をもたらしたと言われている。このような時代の変化はある日突然起こるものではなく、既に始まっていたものや底流に流れていたものが加速することでもたらされる。今回のパンデミックによって、人々は命の危険を間近に感じ、生命に対する意識がさらに強まったと考えられる。

 また、行動を抑制した生活を体験することによって、不都合さやいろいろな問題を強く意識することとなった。これらは社会共通資本である自然環境(大気など)、社会的インフラ(交通・エネルギーなど)、制度資本(教育・医療など)に対する関心の高まりに表れており、社会的課題であるSDGs(持続可能な開発目標)に対する関心につながると考えられる。

 社会的な課題解決は、決して一国でなされるものではなく、世界が共通の危機感を持つこととなった今回のコロナ禍は、SDGs達成に向けた取り組み加速の契機になりそうだ。