米石油大手のエクソンモービルでは、脱炭素など気候変動対策の強化を求める、いわゆる物言う株主(アクティビスト)の米投資会社エンジン・ナンバーワンが、気候変動リスクへの対応は不十分として、環境対策の強化に向けて「環境派」の取締役候補4人を推薦した。他の巨大機関投資家も賛同したことで3人が選出され、12人の取締役会に3人の環境派が加わることになった。

海洋や魚類などの生態系に大きな影響を与えているマイクロプラスチックの現状について、化学大手の米デュポンの株主が経営陣の責任を指摘した<br><span class="fontSizeS">(写真:中尾由里子/アフロ)</span>
海洋や魚類などの生態系に大きな影響を与えているマイクロプラスチックの現状について、化学大手の米デュポンの株主が経営陣の責任を指摘した
(写真:中尾由里子/アフロ)
米エクソンモービルの株主総会で、気候変動対応を促す株主提案が可決。環境派の取締役3人を受け入れた。写真は、ダレン・ウッズCEO<br><span class="fontSizeS">(写真:ロイター/アフロ)</span>
米エクソンモービルの株主総会で、気候変動対応を促す株主提案が可決。環境派の取締役3人を受け入れた。写真は、ダレン・ウッズCEO
(写真:ロイター/アフロ)

 石油大手企業を巡っては、オランダ・ハーグの裁判所が21年5月26日、英蘭石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルの温室効果ガスの削減目標が不十分とし、30年までに19年比で45%削減するよう命じる判決を言い渡した。環境保護団体グリーンピースなど7団体が提訴したもので、環境運動家が訴訟でエネルギー大手に事業戦略の変更を迫る初めてのケースとなった。シェルは判決に対して「失望している」とし上訴の意向を示すが、世界的に脱炭素の流れは止まらない。

 米国の株主総会でも、総合電機メーカーのゼネラル・エレクトリック(GE)に対して、気候変動に関する世界最大の投資家イニシアチブ「Climate Action 100+」による企業の気候変動対策を評価する「ネットゼロ企業ベンチマーク」に対応するよう求める提案が出された。

 この株主提案が異例なのは、GEの取締役会が賛成票を投じるよう求めた点だ。通例では株主提案に対して取締役会は反対することが多いが、GEは「パリ協定による温室効果ガス削減という目標達成に向けて行動する」と受け入れた。その結果、ほぼすべての株主が賛成し、提案は98%の賛成率で可決した。

 GE以外にも、米エクソンモービルや米シェブロン、建機大手の米キャタピラー、自動車大手の米ゼネラル・モーターズなどにも「ネットゼロ企業ベンチマーク」への対応を求める提案が出された。企業に気候変動対策への取り組みを求める圧力は日増しに強まっている。

■ 主な米国企業の株主提案
■ 主な米国企業の株主提案
注:赤字は新型コロナウイルス関連、緑字は環境対策関連、青字は公益法人(パブリック・ベネフィット・コーポレーション:PBC)化に関連する提案
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