従来の製鉄工程では使わない「低品位」の石炭と鉄鉱石を活用する。石炭と鉄鉱石を細かく粉砕し、小ぶりの卵のように成型して600〜900℃の炉で焼き固めたものをフェロコークスと呼ぶ。混ぜ込んだ鉄鉱石が炉内で還元され、炭素と金属の鉄が均一に混ざり合った状態になる。

 通常のコークスや鉄鉱石とともに高炉に投入すると、フェロコークスに含まれる金属鉄が還元反応を促進する触媒として働き、還元が高速化して、結果として低い温度で還元反応が起きる。必要な熱の量を抑えられるためコークスと補助燃料に使う微粉炭の投入量を減らすことができ、CO2排出量を抑えられる。23年頃までにCO2排出量を約10%削減する技術の確立を目指す。

 高炉で使うコークスの一部を水素に置き換える技術が「COURSE50(コース50)」だ。国の工程表によれば、25年まで大規模実証が進む計画である。30年頃までに最初の実機化、50年頃までの普及を目指す。

■ フェロコークスを使ったCO2削減
フェロコークスは直径3~4cm程度の卵状の形をしている。右の断面写真からはコークスの中に微細な粒状の金属鉄が分散していることが分かる<br><span class="fontSizeS">(写真:JFEスチール)</span>
フェロコークスは直径3~4cm程度の卵状の形をしている。右の断面写真からはコークスの中に微細な粒状の金属鉄が分散していることが分かる
(写真:JFEスチール)
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出所:JFEスチールの資料を参考に作成
出所:JFEスチールの資料を参考に作成
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 日本製鉄とJFEスチール、神戸製鋼所、日鉄エンジニアリングがNEDOからの委託事業として開発中だ。08年に着手し、15年には水素を吹き込める試験高炉が日本製鉄の東日本製鉄所 君津地区に完成した。16年から水素を吹き込む試験が始まり、10%のCO2削減に成功した。08〜17年度に技術開発の事業費として総額260億円、18〜19年度に21億円を投じている。

 試験高炉は高さ内容積12m3で、下の写真の建屋内にある。日本製鉄が操業する高さ24m、内容積5555m3の高炉と比べると、400〜500分の1という規模だ。

 小型ながら原料投入口や、1200℃の熱風を吹き込む羽口、赤く溶けた溶銑を取り出す出銑口などは従来の高炉と同様に備えている。試験高炉は羽口に水素を吹き込む機能を追加した。

■ COURSE50高炉でのCO2削減
出所:日本製鉄の資料を参考に作成
出所:日本製鉄の資料を参考に作成
2015年9月に完成した試験高炉は写真左奥の青い建物内にある。内容積は12m<sup>3</sup>で、従来の高炉の約400~500分の1の規模になる<br><span class="fontSizeS">(写真:NEDO・日本鉄鋼連盟:COURSE50)</span>
2015年9月に完成した試験高炉は写真左奥の青い建物内にある。内容積は12m3で、従来の高炉の約400~500分の1の規模になる
(写真:NEDO・日本鉄鋼連盟:COURSE50)
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