新型コロナウイルスの影響で、環境面の課題として浮上したのが、食品ロスだ。SDGs(持続可能な開発目標)の課題にもなっており、もともと社会課題として認識されていたが、飲食店やスーパーの営業自粛などによって大量の食品ロスが発生する事態となり、注目が高まった。

 イオンでは、対策を問われた岡田元也会長が、「食品ロスの削減は生産者と消費者をつなぐ小売業として重要な使命」と語り、19年12月に参画した世界の企業が参加する「10×20×30食品廃棄物削減イニシアティブ」の取り組みを説明した。世界の小売業10社が、20社のサプライヤーと共に、30年までに食品廃棄物の半減を目指す。

2019年2000人近い株主が参加したイオンは、20年は緊急事態宣言の延長を受け、参加者を100人に限定した(左)。会場入り口に顔認識機能を持った赤外線カメラで体温を計測する検温器を設置。全国のイオンモールでも従業員の体調管理に役立てている(右)<br><span class="fontSizeS">(写真:イオン)</span>
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2019年2000人近い株主が参加したイオンは、20年は緊急事態宣言の延長を受け、参加者を100人に限定した(左)。会場入り口に顔認識機能を持った赤外線カメラで体温を計測する検温器を設置。全国のイオンモールでも従業員の体調管理に役立てている(右)<br><span class="fontSizeS">(写真:イオン)</span>
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2019年2000人近い株主が参加したイオンは、20年は緊急事態宣言の延長を受け、参加者を100人に限定した(左)。会場入り口に顔認識機能を持った赤外線カメラで体温を計測する検温器を設置。全国のイオンモールでも従業員の体調管理に役立てている(右)
(写真:イオン)

 みずほフィナンシャルグループの株主総会では、環境NPO(非営利団体)の「気候ネットワーク」が、気候変動対策に関する株主提案を提出した。気候ネットワークが注目しているのは、石炭火力発電所の建設のための投融資だ。温暖化対策の国際枠組みであるパリ協定に逆行するとして、投融資の停止を求めていた。

 これを受けてみずほFGは20年4月15日、石炭火力発電所向けの与信残高を30年度までに19年度と比べて半減し、50年度までにゼロにする目標を公表した。

 気候ネットワークはこれを歓迎するとしたが、この決定がパリ協定と整合しているかどうかは分からないとして、更なる情報公開を求める株主提案に踏み切った。提案内容は、「パリ協定の目標に沿った投融資をするための情報開示を定款に規定する」というものだ。

 この株主提案に対してみずほFGは、「環境方針において同様の条項を規定している」として、反対を表明。株主総会で賛否が問われることとなった。

2020年6月25日に開催されたみずほフィナンシャルグループの株主総会では、環境NGO(非政府組織)が石炭火力発電所への投融資に反対してアピール活動をした
2020年6月25日に開催されたみずほフィナンシャルグループの株主総会では、環境NGO(非政府組織)が石炭火力発電所への投融資に反対してアピール活動をした

株主提案で企業を動かす

 6月25日に開催されたみずほFGの株主総会でこの株主提案が採決され、賛成率34.5%で否決された。株主提案を提出した気候ネットワークの平田仁子理事は、「株主の3分の1以上が賛成し、予想以上の支持が得られた。気候危機への関心の高さが明らかになった。企業とは引き続き対話を続けていく」と語った。

 平田氏は今回、株主提案に踏み切るに当たって、海外の環境団体と連携したという。米国では、個人、社員、NPO団体などからESGに関する様々な株主提案が出される。多くの株主提案は否決されるが、それが企業を動かす原動力になっている。

 株主が企業の取り組みを評価しながら対話を続け、課題が解決されなければ声を強めていく。今後、日本でも、ESGの様々な取り組みでこうした流れが進みそうだ。

■ 「環境」に関する主な株主質問と会社回答
■ 「環境」に関する主な株主質問と会社回答
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