進む社外取締役の選任
コーポレートガバナンスの一丁目一番地は、取締役会の改革である。その取り組み状況はどうか。
プライム市場の企業には、取締役会において3分の1以上の独立社外取締役の選任が求められている。この「3分の1以上」について、65.4%の企業が達成済みと答えた。プライム市場を希望する企業に絞ってみると、81.4%が達成済みだった。社外取締役の選任が進んでいる。

7割近くの企業が独立社外取締役「3分の1以上」をクリアしている。取締役会に「社外の目」を活用する取り組みが急速に進んでいる
達成していない企業に施策予定を聞くと、「当面はエクスプレインとする」と答えた企業が56%と最も多かった。次いで、「新任の独立社外取締役の増員(属性問わない)」の26.3%、「社内取締役の人数の削減」の11.8%だった。

「当面はエクスプレインとする」と答えた企業が多い理由は、「選任の課題」を聞いた結果で読み解ける。最も多かったのが、「女性や外国人らダイバーシティに適した人材が豊富でない」(42.4%)、「当社の事業内容・企業文化に理解ある人材が社外に少ない」(39.9%)だった。社外取締役をただ増やせばよいというわけではなく、自社に適した人材を確保するのに苦労している。
注目は、3番目に多かった「独立社外取締役増員の必要性を感じない」と回答した37.2%の企業だ。答えた企業の内訳を見ると、その82%が「当面はエクスプレインする」と答えた企業だった。自社が求める人材がなかなか見つからないという理由以外にも、必要性について疑問を感じたり、抵抗感を持ったりしている経営者も多いことが分かる。
