社外取締役の比率や多様性は、投資家や株主が注目している項目だ。投資家対話や株主総会で、理由を問うケースが増えている。エクスプレインを選択する経営者は、理由や計画などの説明が求められるだろう。

取締役会にサステナビリティ

 改訂コードでは、経営者の指名や報酬を監督する指名委員会や報酬委員会の設置を求めている。特にプライム市場の企業は、各委員会の構成員の過半数を独立社外取締役とすることを基本としている。企業の設置状況を見てみよう。

 法定の報酬委員会と指名委員会を設置している企業は5.3%だった。任意の委員会として両委員会を設置している企業は51.2%と、半数を超えた。経営者から指名と報酬を切り離し、社外取締役の目を入れてこれらを監視する動きが広がっている。

■ 指名・報酬委員会の設置状況
■ 指名・報酬委員会の設置状況
回答企業数:948
約6割の企業が指名または報酬委員会を設置。「今後、設置予定」と「設置するかどうかを検討している」の合計は24.4%で、設置の動きは広がりそうだ

 近年、指名・報酬・監査の3委員会に加えて、サステナビリティ委員会を第4の委員会として設置する企業が増えている。そこで、取締役が参加するサステナビリティ委員会の設置状況を聞いた。

 取締役が参加するサステナビリティ委員会を「設置している」と答えた企業は29.7%、「設置するかどうかを検討している」が39.9%、「設置する予定はない」が29.5%だった。約4割の企業が設置を検討しており、今後、設置する企業が増えそうだ。サステナビリティ経営の司令塔と監視役として、サステナビリティ委員会の役割が高まっていくことが予想される。

■ 取締役が参加するサステナビリティ委員会の設置状況
■ 取締役が参加するサステナビリティ委員会の設置状況
回答企業数:948
取締役が参加するサステナビリティ委員会を設置している企業は約3割。設置するかどうかを検討している企業が約4割で、今後、設置する企業が増えそうだ

情報開示に四苦八苦

 ESGの取り組みに関して企業はどのようなことに悩んでいるのか。ESGの取り組みの課題も聞いた。

 最も多かったのが、「どのように情報開示すべきか知識・ノウハウがない」の53.6%で、「ESGがどれだけ企業価値に貢献するか示せない」が46.7%で続いた。4番目も「ESG関連の開示基準が乱立している」(39%)と、情報開示に関する項目が上位を占めた。多くの企業が、ESGの情報開示について悩んでいる様子がうかがえる。