ベセラ いろいろなバックグラウンドを反映した多様性のある組織構成ができたら、その人たちに対して成功できるチャンスを与えていかなければいけません。昇進したり、ケーパビリティ(能力)を構築したりする機会、それからサラリー(給与)に関しても平等に得られるようにしていく。それが、イクオリティです。

 これからは、イクオリティ&インクルージョンをビジネス戦略の中核に据えて取り組みます。

仲間意識が可能性を引き出す

ベセラ ダイバーシティがイクオリティに進化しましたが、インクルージョンの部分は変わりません。組織を構成している人員がそれぞれの可能性を最大限に実現してもらうという意味で、非常に重要です。

 組織の構成人員それぞれが自分はインクルージョンされているんだ、外にいるのではなくこの家族の一員なんだ、チームの一員なんだというふうに感じて仕事をしていくことが非常に重要です。

 そうすることによって、自分の考えや今まで培ってきた経験を最大限生かして仕事ができるし、そうした考えや経験を周囲に伝えていくこともできるようになります。皆が成功できるし、そしてもっと成功できるプランをつくれます。皆が意見を十分に出し合った結果、出来上がるプランはもっと素晴らしいものになるはずです。

 そういう意味で、ビジネス戦略を語る場合、インクルージョンは絶対になくてはならない要素であると思っています。

実際、これからイクオリティに取り組まなければいけない部分があるのですか。例えば、機会や給与が平等になっていないと感じているのですか。

ベセラ すべてにおいて改善していかなければいけないと思います。全部です。これは会社としてもそうですが、社会全体としてもそうです。イクオリティの観点から見ると、まだビクトリー(勝利)を宣言できるような状態にはありません。

 進化はしていますが、まだまだそれには程遠いです。私が特に焦点を当てていきたいのは、イクオリティというコンセプトを理解していく能力です。理解し、スキルを身に付け、賢いやり方で日々の活動として実践していく。その能力がまだまだ不足しているのではないかと思います。これは日本だけではなく、グローバルでの課題です。

イクオリティ&インクルージョンの活動として、具体的にどんなことに取り組んでいくのですか。

ベセラ どういうふうにして能力を高めていくか。1つの例として、日本で「E&Iウイーク」というのを2週間にわたって実施しました。

 ワークショップやトレーニング、パネルディスカッションなど、いろいろ盛り込んだイベントです。皆さん(パソコンなどから)ログインして、自分が興味のあるトピックを選んで実際にディスカッションに参加しました(下の写真)。そうした場を通じて理解を深め、実際にビジネスの現場に適用してもらうのが狙いです。

新型コロナウイルス感染防止のため、オンラインで開催した「E&Iウイーク」の様子
(写真:P&Gジャパン)