アクセスの難しい場所に食料を運ぶため、水陸両用車や特別な輸送機も用意しています。

ポルカリ 洪水に見舞われて孤立した地域に水や食料を届けるのは大変です。食料の空中投下も試みましたが、投下場所の正確性に欠ける上、費用もかかります。そこで我々は「水陸両用トラック」を開発しました。水位が高い所でも走れます。安全に走行できるようドローンが先導する例もあります。モザンビークやケニアで実施しています。

QRコードで支援を受ける

ブロックチェーン技術も活用していると聞きました。

ポルカリ WFPは地域社会で、銀行を介さない金融サービスを提供しており、そこにブロックチェーンを活用しています。銀行を通さないことでコストを削減できます。加えて、複数の人道支援組織の間でプラットフォームを構築し、情報を共有できるようにしました。国連女性機関(UN Women)や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などもつながる金融プラットフォームです。

 例えばバングラデシュにはロヒンギャ難民が約100万人います。自分のアカウントを持ってもらうことでWFPから食料支援、別の団体から異なる支援というように複数の人道支援サービスを1つのアカウントで享受できるようにしました。複数の支援をQRコードで受けられます。

 支援金はデジタルアカウントに保存され、キャンプ内の店舗で利用できます。取引記録はブロックチェーン上で更新され、人道支援組織の間で確認できます。これにより、限られたリソースでの人道支援を最適化できます。バングラデシュやヨルダンで成功を収めており、他の国々への拡大も目指しています。

 人道組織がなぜブロックチェーンを使うのかと、けげんな顔で見られたこともありましたが、世界の状況が複雑になる中、従来の方法では飢餓に打ち勝てません。境界を越える方法がブロックチェーンでした。

人道支援の功績によりWFPは2020年のノーベル平和賞を受賞した。支援で活躍しているのが、水陸両用車やドローン、ブロックチェーンなどの最新技術だ
(写真:WFP)

食料を栽培して自立

貧困な人々が自立するための農業技術も開発しました。

ポルカリ WFPの使命は緊急時の人命救助はもちろんですが、貧困な人々の生活を良い方向に変えていく使命もあります。生活の質を高め、エンパワーメントします。

 そうした技術の1つとして、過酷な環境下でも食料を栽培できる「H2Grow」という技術を提供してします。土を使わない栽培、つまり水耕栽培ですが、複数の地域で進めています。従来の農法に比べて90%節水でき、スペースも70%節約できます。生育も早く安価です。