21年はどのような取り組みに注目していますか。

伊藤 21年度は従来の総合枠・特別枠に加えて「複数企業協働取組枠」を新設しました。これは、評価軸として「外部との連携」に注目し、表彰するものです。同業で連携するケースもあるでしょうし、異業種で連携するケースもあるでしょう。こうした事例を発掘できればと考えています。

 例えば、容器包装の規格において業界で統一しようとする事例があります。利用やリサイクルにおいて消費者にとって有益な事例と言えるでしょう。異業種でも最近、ペットボトルのリサイクルで小売店や飲料メーカーが連携するケースが出てきています。

 今は新型コロナウイルスの影響で、企業同士の連携が難しくなっています。しかし、SDGsの目標17は「パートナーシップ」です。企業連携による新たな価値創造に期待しています。なお、この連携取組枠への応募は、自主宣言企業が最低1社含まれていれば、自主宣言をこれから行おうとする事業者も募集可能です。

 また消費者庁では21年から、自主宣言企業を対象に、パートナーシップを探る場「消費者志向経営連絡会」もつくりました。オンラインミーティングで、企業が取り組みを紹介し、他社が何をやっているかを知ることができ、連携のヒントをつかめるようにしています。

 21年度の応募期間は、7月30日~10月1日です(応募はこちらから)。応募の際、所定の質問用紙に回答を記入し、それを有識者検討会で審査します。年内に受賞企業を選出し、21年度内に表彰式を実施する予定です。

 また8月20日には、経済産業省、環境省と連携して「サステナブルファッションの推進に向けた関係省庁連絡会議」を立ち上げました。アパレルを中心としたファッション産業の原材料調達から生産、使用、廃棄までの環境負荷低減を目指すものです。こうした取り組みを行っているファッション関連の企業なども、参加していただけたらと思っています。

ESG投資で有利になる仕組みに

消費者志向経営とESGはどのような関係にあるのでしょうか。この先、どのように進化させていきますか。

伊藤 今、ESG投資が活発化しています。消費者志向経営に取り組む企業が投資家に評価され、資金調達などの面で優遇されるような仕組みがつくれないかと考えています。

 また、企業にとって最も身近な消費者は、従業員です。従業員のエンゲージメントの向上は、企業のサステナビリティだけでなく、良い消費にもつながります。消費者志向経営を進めることは、消費者のウェルビーイングの向上や、社会の未来を良くすることにつながります。

 今、世界で「ステークホルダー資本主義」が注目されています。株主、環境、社会、取引先、従業員というステークホルダーのそれぞれが、サステナビリティという山に登り始めています。同じ山を登る他省庁と連携できるところを探りながら、消費者という視点で企業のサステナビリティの取り組みを応援していきたいと思います。