JFEスチールは缶のようにリサイクルできるスチール製カップを提案する。プラスチック容器の使い捨てと比べた環境価値を消費者に伝えていく。

 JFEスチールは飲料容器の循環利用を提案するプロジェクトを開始した。スチール製の空き缶リサイクルの仕組みを、飲食店などの容器に応用する。店頭で提供されるカップを缶用の鋼板で作り、使用後は回収してリサイクルできるようにする。スチール缶のリサイクル率は2019年度で約93%と高い。JFEは、多用される使い捨てプラスチック容器による環境負荷を減らせるとみる。

湘南で「いつもよりおいしい」

 同社は、技術コンサルティングやマーケティング企画を手掛けるIBLC(東京都渋谷区)、地域ライフスタイル誌「湘南スタイルmagazine」と協力して、3者で「BETTER RECYCLE湘南」プロジェクトを運営する。21年10月には神奈川県の湘南エリアで、容器試作品のテストマーケティングを実施した。

 学生団体と協力し、湘南で宝探しをしながらゴミ拾いするイベントを開催。学生や地域住民の約200人が参加した。地元のサービスステーション併設のカフェで、バリスタが淹れたアイスコーヒーをスチール容器で楽しんだ参加者へのアンケートでは、「口当たりがよくいつもよりおいしい」「飲み物の温度が直接伝わる」といった評価を得た。回答を踏まえ3~5年後の新商品開発を目指す。

スチール製飲料容器。93%という缶用鋼板の高いリサイクル率をアピールするデザインに仕上げた。背景は、テストマーケティングを行った湘南菱油・セルフDr. Drive 鎌倉サービスステーション内のカフェ「ニコフル」(左)。宝探しとゴミ拾いのイベントの参加者(右上)と、イベントで配布された宝探しマップ(右下)。JFEスチールなどによるプロジェクトチームは、SDGsや海の環境への感度の高い湘南エリアでスチール製容器やリサイクルに対する消費者の意見を集めた<br><span class="fontSizeS">(写真:JFEスチール)</span>
スチール製飲料容器。93%という缶用鋼板の高いリサイクル率をアピールするデザインに仕上げた。背景は、テストマーケティングを行った湘南菱油・セルフDr. Drive 鎌倉サービスステーション内のカフェ「ニコフル」(左)。宝探しとゴミ拾いのイベントの参加者(右上)と、イベントで配布された宝探しマップ(右下)。JFEスチールなどによるプロジェクトチームは、SDGsや海の環境への感度の高い湘南エリアでスチール製容器やリサイクルに対する消費者の意見を集めた<br><span class="fontSizeS">(写真:JFEスチール)</span>
スチール製飲料容器。93%という缶用鋼板の高いリサイクル率をアピールするデザインに仕上げた。背景は、テストマーケティングを行った湘南菱油・セルフDr. Drive 鎌倉サービスステーション内のカフェ「ニコフル」(左)。宝探しとゴミ拾いのイベントの参加者(右上)と、イベントで配布された宝探しマップ(右下)。JFEスチールなどによるプロジェクトチームは、SDGsや海の環境への感度の高い湘南エリアでスチール製容器やリサイクルに対する消費者の意見を集めた
(写真:JFEスチール)

 プラスチック容器や、リユースカップと比べたライフサイクル全体の環境負荷の評価、店舗での利用や回収といった運用、プラ容器と比べたコスト増などの検証が必要となりそうだ。ただ、コストがプラ容器を上回る場合でも、環境配慮という付加価値を丁寧に伝えれば、消費者や店舗から好感を持って受け入れられる可能性もある。消費者がSDGsへの関心を高める中、SDGsマーケティングの試金石となりそうだ。