東証1部の84.2%となる1841社が、プライム市場を選択した。3年後に予想される再選別に向け、企業価値向上競争の号砲が鳴った。

 「今回の東証再編は、企業価値向上に向けたスタートラインだ」

 東京証券取引所は2022年1月11日、4月4日に再編する新市場区分の所属企業を公表した。同日、東証の山道裕己社長が報道陣を前にこう語った。

東京証券取引所は2022年1月11日、4月に再編される新市場の所属企業を公表した。写真は、新市場を披露する東証の山道裕己社長<br><span class="fontSizeS">(写真:共同通信社)</span>
東京証券取引所は2022年1月11日、4月に再編される新市場の所属企業を公表した。写真は、新市場を披露する東証の山道裕己社長
(写真:共同通信社)

 現在の東証1部、東証2部、マザーズ、ジャスダックという4つの市場区分をプライム、スタンダード、グロースの3市場に再編する。グローバル企業を対象とするプライム市場を選んだのは1841社、国内事業が中心のスタンダード市場は1477社、高い成長可能性を持つグロース市場は459社だった。

 東証1部に上場する2185社の84.2%がプライム市場を選択した。プライム市場を選択した企業で、上場基準を満たしていない企業は617社。このうち296社が、基準を満たすための計画書を提出する「経過措置」を活用してプライム市場へ移行する。残りの321社が、スタンダード市場を選択した。

再選別は3年後に照準

 22年4月の再編は、実力で線引きするというよりは、どの市場に行きたいかという企業の希望に沿った形のスタートになる。経過措置を活用してプライム市場へ上場する1社は、「企業の信用力や評判維持のため、最上位市場を選ぶのは当たり前。社内であまり議論にならなかった」(東証1部企業の広報)と本音を漏らす。

 東証は、経過措置の期限を定めていない。この経過措置はいつまで続くのか。

 プライム市場の上場基準に適合していない企業で最も多かったのが、流通株式時価総額100億円以上という基準である。217社がこのハードルに引っかかった。これらの企業が提出した計画書には、基準達成までの期間が示されている。最も多いのが「2年以上3年未満」の83社、次いで「3年以上4年未満」の46社だった。

 東証は今後、これら企業の取り組みの進捗を見ながら「再選別」の時期を判断することになる。今回多くの企業が宣言した「3年」が、1つの目安になりそうだ。