役員報酬をESGの取り組みと連動させている企業は1割に満たない。社外取締役を登用する企業が増える中、報酬も上昇傾向にある。

 新型コロナウイルス禍や気候変動対策の強化を受け、役員報酬に対する投資家らの関心が高まっている。

 デロイト トーマツ コンサルティングと三井住友信託銀行が共同で実施した「役員報酬サーベイ(2021年度版)」によると、社長の報酬水準は前年比微減だった。売上高1兆円以上の企業における社長の報酬総額水準は9860万円(中央値)で前年から0.3%減った。新型コロナの影響で一部の企業が社長の報酬を減額したとみられる。

■ 社長報酬総額水準の推移
■ 社長報酬総額水準の推移
出所:デロイト トーマツ コンサルティング、三井住友信託銀行(グラフ5点とも)

 コロナ下で、役員報酬の減額や自主返上など役員報酬制度を変更した企業は13.3%だった。大半は臨時的な変更で、恒常的な変更はわずかだったという。

■ 新型コロナウイルスなどの影響で役員報酬制度を変更した企業
■ 新型コロナウイルスなどの影響で役員報酬制度を変更した企業

 社長の報酬総額水準は減っているのに対して、東証一部上場企業での社外取締役の報酬総額水準は5年連続で上昇している。背景には社外取締役に対する期待の高まりがある。21年は800万円(中央値)だった。

 調査では、役員報酬の決定にESGの指標を活用しているかどうかも聞いている。戦略に基づいてESG指標を役員報酬の決定に活用している企業は3.8%、戦略では明示的に言及していないものの、ESG指標を役員報酬の決定に活用している企業は2.6%で合わせて6.4%だった。

■ ESG指標を役員報酬の決定に活用している企業
■ ESG指標を役員報酬の決定に活用している企業