「脱炭素」の流れが「脱化石資源」を促し、再生プラスチックの争奪戦が過熱してきた。小売りやメーカーは再生資源を確保するため、「クローズドリサイクル」に乗り出している。

 2021年2月、イオンは丸紅グループと組み、使用済みペットボトルから新品のペットボトルをつくる「ボトル to ボトル」の活動を開始した。イオングループの店舗で回収した使用済みペットボトルをリサイクルし、同社のPB(プライベートブランド)商品「トップバリュ」の飲料容器として使う「クローズドリサイクル」の仕組みを構築する。

100%リサイクルペットボトルを採用したイオンのPB商品「トップバリュ」(左)。今後、グループの店舗で回収した使用済みペットボトルをリサイクルして自社商品の容器に使っていく(右)<br><span class="fontSizeS">(写真:イオン)</span>
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100%リサイクルペットボトルを採用したイオンのPB商品「トップバリュ」(左)。今後、グループの店舗で回収した使用済みペットボトルをリサイクルして自社商品の容器に使っていく(右)<br><span class="fontSizeS">(写真:イオン)</span>
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100%リサイクルペットボトルを採用したイオンのPB商品「トップバリュ」(左)。今後、グループの店舗で回収した使用済みペットボトルをリサイクルして自社商品の容器に使っていく(右)
(写真:イオン)

30年に100%目指す

 まず、東京都を中心に一部の店舗で実験を始め、6月にはこの仕組みで回収・リサイクルしたペットボトルを採用した商品を販売する計画である。21年度中に関東エリアに広げ、その後、順次、全国へ展開する予定だ。

 イオン環境・社会貢献部の鈴木隆博部長は、「持続可能なプラスチックの利用を進めて最終的にCO2ゼロの社会をつくりたい」と言う。今回の「ボトル to ボトル」はその一環である。30年までにPB商品のペットボトルを全てリサイクル素材か植物由来素材にすることを目指す。

 「(CO2排出に価格を付ける)カーボンプライシングが進めば、CO2の削減に貢献しない製品は高くなる。今回の取り組みは脱炭素の枠組みの中に位置付けている」(鈴木部長)

 ペットボトルのリサイクルは活発になっているが、使い捨てプラスチックを無くす「脱使い捨て」だけでなく、CO2排出をゼロにする「脱炭素」を目的に取り組む企業が増えている。

 脱使い捨てを目指して、飲料メーカーや日用品メーカーがこぞってペットボトルのリサイクルに動いた結果、リサイクル材の需要が急増している。そこに脱炭素での需要が加われば、資源争奪戦が過熱するのは必至だ。今後、クローズドリサイクルのループを確立し、自社でリサイクル材を囲い込む動きが加速する可能性がある。

 「ボトル to ボトル」で先行しているサントリーグループも、リサイクル材の確保を急ぐ。清涼飲料事業を手掛けるサントリー食品インターナショナルは21年2月、兵庫県内の複数の自治体と協定を締結した。

 高砂市、加古川市、稲美町、播磨町の2市2町が回収した使用済みペットボトルを全量引き取る。リサイクル事業者と協力してペットボトルにリサイクルし、域内にあるサントリーの工場で自社商品の容器に使う。生産した商品は同地域に出荷し、リサイクル材の“地産地消”を目指す。

 サントリーは21年1月に、リサイクルペットボトルの使用量を50%以上にする目標を、それまでの25年から22年に3年前倒しすると発表している。20年の実績は26%だ。今回のモデルを他の地域に広げるなどして、目標を達成する計画である。