プラスチック資源循環法の施行を前に、企業が対策の強化に動いている。リサイクルやリユース、素材代替─循環経済に向けて、手法の幅が広がってきた。

 飲料メーカーや外食などが、多様なアプローチでプラスチックごみの削減を加速させている。背景には、使い捨てプラスチックに対する規制強化がある。

 国内では、2022年4月にプラスチック資源循環法が施行される。プラスチック製品の製造から販売、使用、廃棄、リサイクルまでバリューチェーン全体に網をかけ、プラスチック使用量の削減を促す。多量に提供、排出する事業者は取り組みを怠れば罰則が科される。海外では、英国が同月から、リサイクル材の使用率が30%に満たないプラスチック製包装材に課税するなど、世界で包囲網が広がっている。

パーパスに関わる問題

 サントリー食品インターナショナルは22年1月、ペットボトルのサステナブル化についての方針を発表した。齋藤和弘社長が自ら登壇し、国内外での取り組みをアピールした。

 同社は30年までにすべてのペットボトルを環境配慮素材にする目標を掲げる。22年には、まず50%をリサイクル材やバイオマス(生物資源)材に切り替える。100%の達成に向けて期待をかけているのが、ケミカルリサイクルの活用だ。化学的処理によって使用済みプラスチックをバージンプラスチックと同等の品質に再生する技術で、今後のペットボトルリサイクルの鍵とみられている。

 サントリーは仏ベンチャーのカルビオスと協働し、酵素技術を使ったケミカルリサイクルの研究を進めており、21年9月に実証プラントを開設した。25年の商業化を目指す。

 リサイクルペットボトルは、飲料メーカー各社が採用を増やしており、今後、需給がひっ迫する可能性がある。サントリーは、リサイクル材で賄いきれない分については、バイオマス材で補う考えだ。

 現在、米ベンチャーのアネロテックと共に技術開発を進めている。21年12月には、100%バイオマスペットボトルの試作品を発表した。30年の目標達成へ実用化を急ぐ。

 齋藤社長は、「グループを挙げてサステナビリティへの対応で先頭を切りたい。それが結果的にブランドを磨くことになる。お客様から支持を受けられなくならないようにするのが大事で、企業のパーパス(存在意義)にも関わってくる」と話す。

サントリーグループが米アネロテックと共同開発した100%バイオマスペットボトルの試作品(右)<br><span class="fontSizeS">(写真:サントリーホールディングス )</span>
サントリーグループが米アネロテックと共同開発した100%バイオマスペットボトルの試作品(右)
(写真:サントリーホールディングス )

 アサヒ飲料も、ケミカルリサイクルを活用し、使用済みペットボトルを新品のペットボトルに再生する「水平リサイクル」を進める。第1弾として、22年4月から一部の大型ペットボトル商品にケミカルリサイクルによるリサイクル材を採用する。22年に販売予定の大型ペットボトル商品の約40%に導入する。

 同社は、30年までにペットボトルをリサイクル材などの環境配慮素材にすべて切り替えることを目指している。ケミカルリサイクルは目標達成の要となる。

 アサヒ飲料の米女太一社長は、「今後は、当社の直販ルートの自動販売機から回収したペットボトルを水平リサイクルしていく新しい取り組みも検討する」と言う。

アサヒ飲料は大型のペットボトル商品で、ケミカルリサイクルのペット樹脂を採用する<br><span class="fontSizeS">(写真:アサヒグループホールディングス )</span>
アサヒ飲料は大型のペットボトル商品で、ケミカルリサイクルのペット樹脂を採用する
(写真:アサヒグループホールディングス )