ESG投資信託で、純資産総額1兆円を超えるヒット商品が誕生した。金融庁をはじめ各国の金融当局は、「ESGウオッシュ」に目を光らせる。

 ESG投資信託「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)」が、大ヒットしている。2020年7月20日の販売開始から右肩上がりに販売を伸ばし、販売から約7カ月の21年2月9日に純資産総額1兆円の大台を突破した。3月26日時点の純資産総額は1兆67億円で、日本経済新聞社の投信ランキング純資産総額部門でトップを走っている。

■ 販売開始から7カ月で純資産総額1兆円を突破
■ 販売開始から7カ月で純資産総額1兆円を突破
投資信託「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド」の純資産総額と基準価額の推移
(出所:アセットマネジメントOne「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド マンスリーレポート」)
[クリックすると拡大した画像が開きます]

 アセットマネジメントOneが設定を担当し、米モルガン・スタンレー・インベスト・マネジメントが実質的な運用を手掛けている。販売は、みずほ証券、みずほ銀行、みずほ信託銀行の3社である。

人気ファンドのESG版

 組み入れ銘柄は、ESGの広がりによって新たなビジネス機会が得られ、ESGの取り組みが中長期的な成長につながる企業としている。21年3月時点の銘柄数は25社で、米マスターカードや米アマゾン・ドット・コムなどが名を連ねている。日本企業はキーエンスの1社である。

 主な購入者は個人投資家だ。人気の理由は何か。みずほ証券の商品企画部長の飛田幸宣氏は、「2016年度から5年間にわたり、個人投資家に対して長期・分散・継続投資を訴え、これに適した商品を拡充してきた。そこで成功体験を積んだ顧客の多くがこの商品を購入している。新型コロナも大きなきっかけとなり、ESG投資に興味を持つ顧客からも支持を得ている」と話す。

 このファンドは、16年9月に販売を開始した「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド」が基になっている。その後、同ファンドから対象を絞った「新興国」「先進国」とシリーズを広げ、今回の「ESG」が4番目の商品となる。大元の「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド」の基準価額は21年2月17日に3万1530円となり、当初設定額の3倍を超えた。特に直近1年間の騰落率が61%と高く、コロナショック以降で強さを見せている。

 ファンドマネージャーを務めるアセットマネジメントOneの戦略運用本部の滝口圭介氏は、「このファンドはもともと長期視点を持った銘柄選定を実践している。こうした運用哲学と運用実績が、新商品の人気につながっている」と分析する。