丸井グループはソーシャルボンドの直接販売に乗り出す。若者を中心とする社会貢献に意欲的な顧客のニーズに応える。

 丸井グループは2022年3月8日、個人投資家向けに2種類のソーシャルボンド(資金使途を社会課題の解決に限定した債券)を発行すると発表した。

 1つは、同社のクレジットカード「エポスカード」会員向けに発行する社債で、年限は1年、金額は1億円程度、利率は年1%を予定する。丸井グループが直接販売し、22年4月から募集を始める。もう1つは、証券会社を通して広く一般消費者に販売する社債だ。年限は3年、金額は13億円、利率は仮条件として年0.20~0.40%としている。野村證券が主幹事を務め、22年3月に販売を開始した。

 どちらのソーシャルボンドも、調達した資金は社会貢献事業を手掛けるベンチャー企業2社への投融資に充てる。

 1社は五常・アンド・カンパニー(東京都渋谷区)で、途上国で事業向け小口金融サービス(マイクロファイナンス)を展開する。これまでに100万人の顧客に合計540億円を融資している(21年12月末時点)。

 もう1社のクラウドクレジット(同中央区)は、貸付型のクラウドファンディングサービスを提供する。5万人超の投資家が登録し、累計出資金額は400億円を超える(同年11月末時点)。18年に社会的インパクトと経済的リターンを両立するファンドを販売し、再生可能エネルギー事業者への融資を拡大している。

■ 丸井グループが発行するソーシャルボンドの概要
■ 丸井グループが発行するソーシャルボンドの概要

 丸井グループは、今回の3社による取り組みによって得られるメリットとして、「ソーシャルインパクトと利益の両立」を掲げている。五常・アンド・カンパニーとクラウドクレジットは投資先でもあるため、今回のソーシャルボンドの発行によって両社の企業価値が高まればリターンの拡大にもつながる。一方の投融資先の2社は、資金調達先の多様化や、個人投資家の認知度向上によるファンの増加が期待できる。

ソーシャルボンドの発表会に登壇した丸井グループの青井浩社長(中)とクラウドクレジットの杉山智行代表取締役(左)、五常・アンド・カンパニーの慎泰俊代表執行役(右)<br><span class="fontSizeS">(写真:丸井グループ)</span>
ソーシャルボンドの発表会に登壇した丸井グループの青井浩社長(中)とクラウドクレジットの杉山智行代表取締役(左)、五常・アンド・カンパニーの慎泰俊代表執行役(右)
(写真:丸井グループ)

7割が社会貢献に意欲

 注目は、クレジットカード会員向けの社債である。ブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用して会員の情報を管理し、社債の申し込みや払い込み、利払いができるようにしたのが大きな特徴だ。会員は1口1万円から購入できる。証券会社が社債の販売や顧客管理をする従来の方法では、発行企業が投資家を把握するのが難しく、直接、利払いをすることもできなかった。