電気自動車製造のリーダーが「言論の自由」の確立にも乗り出した。4月14日、米テスラCEO(最高経営責任者)で起業家のイーロン・マスク氏は、米ツイッター社に敵対的買収を宣言した。マスク氏を巡ってはすでにツイッターの9%の株式を所有し、その動向に注目が集まっていた。ツイッターの株価に54%上乗せした形での買収提案に、ツイッター経営陣は警戒の色を隠さない。すでに買収防衛策を講じるなど受け身に回っている。

米ツイッター社の買収に乗り出した米テスラCEO(最高経営責任者)のイーロン・マスク氏 (写真:AP/アフロ)
米ツイッター社の買収に乗り出した米テスラCEO(最高経営責任者)のイーロン・マスク氏 (写真:AP/アフロ)

 ツイッターの経営を巡っては過去に米セールフォース・ドットコムの名前が噂されるなど買収の観測が常に浮上していた。コメントを瞬時に発信できる利便性の反面、140文字の制限がある中で、SNS(交流サイト)の中でどんな特徴を出し、どう収益力を強化させるかは大きな課題になっている。

 マスク氏は「言論の自由の確立」を訴えて確固たるSNSプラットフォーム構築に意欲を見せるが、むしろ筆者は次なるネット証券革命を予測している。というのも、これまでマスク氏はテスラの経営を巡り、常にツイッターで証券市場と“戦って”きている。その経験を生かせば市場と連動した新しいツイッターの役割が見いだせるのではないか。

 電気自動車という長期的に拡大する市場を相手にマスク氏は研究開発に巨額を投じている。投資家の期待が高いことはテスラの時価総額が1兆ドル(約130兆円)超にも及んでいることからもわかる。一方で、テスラ株は短期売買の空売りに常に苦しんできた。売買額が多いことやマスク氏の派手な言動が売買材料となり、他人からテスラ株を借りて、売りに出す空売りの代表銘柄になっている。

 そのためマスク氏は2018年にいきなりツイッターでテスラの非公開化計画を表明したこともある。19年にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が外国株の貸株を取りやめる措置を発表した際には、これまたツイッターで「ブラボー。空売りは取りやめるべき」と意見表明したこともある。