上場企業225社の統合報告書や有価証券報告書などでの開示状況が明らかになった。非財務情報の開示が進む一方、企業の価値を伝えるという点では課題を残す。

 気候変動への対応をはじめとする非財務情報の開示が企業の評価や価値向上に大きな影響を与えるようになっている。どの情報をどう見せるかが腕の見せ所になる。

 KPMGサステナブルバリューサービス・ジャパンは2022年4月、日経225の構成銘柄を対象に開示の実態を調査し、「日本の企業報告に関する調査2021」として公表した。今回で8回目となる本調査では、統合報告書、有価証券報告書、ウェブサイトなどでのサステナビリティ報告について調べている。以下、主な結果を紹介する。

 事業に重大な影響を及ぼす「マテリアリティ」の分析について、統合報告書と有価証券報告書で開示する企業は3年連続で増加した。一方で、経営判断の根幹ともいえるマテリアリティ分析の結果に関連付けてリスクと機会を記載している企業は27%(統合報告書)にとどまる。

■ マテリアリティ分析の結果と関連付けたリスクと機会の記載
■ マテリアリティ分析の結果と関連付けたリスクと機会の記載
出所:KPMG サステナブルバリューサービス・ジャパン、グラフ5点とも

 企業が将来にわたって価値をどう生み出していくかを伝える上では、戦略の進捗状況を定量的な指標を用いて示すことが大切になる。統合報告書で定量的な非財務目標を記載している企業は過半数あるのに対して、有価証券報告書とサステナビリティ報告では3割に満たない。

■ 全社方針・戦略における定量的な非財務目標の記載
■ 全社方針・戦略における定量的な非財務目標の記載