オムロンは人材開発に3年間で累計60億円を投じる。中長期の成長戦略に必要な人材を確保、育成し、資本市場に訴求する。

 オムロンが人的資本の価値向上へ取り組みを加速させる。2022~24年度までの3年間に、従来(19~21年度)比で3倍となる累計60億円を人材開発に投資する。

 22年3月に発表した中期経営計画では、24年度の目標として、売上高9300億円(年平均成長率7%)、営業利益1200億円(同11%)、ROE(自己資本利益率)10%超(21年度見通しから1ポイント増)を掲げている。目標達成の鍵となるのが人材だ。山田義仁社長は、「変化する社会に適応するため、組織能力の転換を推進し、成長の持続性を高めていく」と言う。

ESG連動報酬を拡大

 人材開発投資を拡大する他、ジョブ型人事制度や業績連動株式報酬制度を導入する。

 人材開発投資では、(1)デジタルトランスフォーメーション(DX)などのスキルの獲得・強化、(2)海外派遣などによるリーダーの育成、(3)コーチングやメンタリングなどによる自己啓発──にそれぞれ約20億円を充てる。

 ジョブ型は、既に導入済みの管理職から、主査層(リーダー・係長に相当)に対象を広げ、国内のグループ社員の約半数に導入する。職務や必要な能力を明確化することで、社員が就きたいポストに応じた能力を身に付ける動機付けにする。

 従来、執行役員以上に導入していた業績連動株式報酬制度を、世界に約3000人いる管理職(課長級以上)に適用する。営業利益とESGの目標の達成度合いに応じて株式を付与する。ESGの目標には、「DJSIワールド」に選定されることを掲げる。

 人材戦略の一環としてダイバーシティ&インクルージョンも進める。例えば、24年度までに女性管理職比率18%以上、海外28拠点での障がい者雇用を実現する。国内では既に障がい者雇用率が法定雇用率(2.3%)を超える3.1%を達成しており、この水準を継続する。多様な社員が活躍できる環境を整え、イノベーションの創出につなげる。

「人的創造性」を指標に

 人材戦略の成果を測る指標も設定した。「人的創造性」と呼ぶもので、付加価値額(売り上げから変動費を引いた値)を総人件費で割った人件費当たりの付加価値額を示す。これを3年間で7%引き上げる。

■ オムロンは「人的創造性」を指標に人材戦略を進める
■ オムロンは「人的創造性」を指標に人材戦略を進める
TOGA:The OMRON Global Awards 人的創造性:人件費当たり付加価値額
(出所:オムロンの資料を基に作成)
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