投資家の圧力が最大の動機

 気候変動への取り組みを推進する動機は何なのか。最も多かったのが「投資家や株主からの要求」(38%)。しかも20年の33%から5ポイント回答率が上昇した。コロナ禍によって対策が難しくなるのを見越して投資家の要求が一層強くなっている可能性がある。また、その他のステークホルダー、従業員や社外のアクティビストなどからの要求も強くなる傾向がある。

 気象災害による被害の甚大化も取り組みを加速させている。20年の調査では「気候関連災害の深刻化」は動機の7位だったが、今回の調査では3位に急上昇した。そうした災害への意識が高まるにつれ、自社の中核業務に及ぼす直接的なマイナス影響に対する認識も深まっている。

■ 気候変動の取り組みを推進する動機は何か
■ 気候変動の取り組みを推進する動機は何か

 皮肉なことに、気候変動への取り組みを妨げている最大の障壁もまた、投資家や株主からの圧力だと分かる(37%)。短期的利益を求める投資家や株主は決して少なくないからである。特にこの1年、経営者はコロナ禍がもたらす様々な問題に対処しながら事業を継続する必要があった。この回答が20年よりも7ポイント上昇したことからもその困難さ、切実さがうかがえる。

■ 気候変動の取り組みを推進する上での障壁は何か
■ 気候変動の取り組みを推進する上での障壁は何か

 いずれにせよ投資家をはじめとするステークホルダーが企業の気候変動対策に関わる大きな圧力になっていることは間違いない。それぞれの立場に配慮しながら丁寧にエンゲージメント(建設的な対話)を積み重ねていくことが求められている。