企業で非財務情報の活用が進みつつあるが、情報の収集・管理は不十分だ。ESG経営の高度化に、CFO(最高財務責任者)の役割が大きくなっている。

 ESGをはじめとする非財務情報を活用する企業が増えてきた。しかし、統合報告書などでの定性的な説明にとどまっているケースも多く、ESGを企業価値の算出や経営判断に活用している企業はまだ少ない。

 財務情報と非財務情報を統合させ、経営判断に役立てるには何が必要なのか。アビームコンサルティングと日本CFO協会は、日本企業のCFO(最高財務責任者)と経理・財務・経営企画の責任者を対象にアンケート調査を実施した。調査期間は2021年3月15~31日で、有効回答は249社である。

 非財務情報活用の現状を見てみよう。活用を重視している企業に活動内容を聞いたところ、「ESG目標値の設定」「統合報告書での目標・実績値の開示」が多かった。一方で少なかったのが、「ESGを踏まえた財務・企業価値の管理」「ESGを踏まえた財務・企業価値の新KPI設定」だ。アクションが高度化するにつれて、実施企業が少なくなっている。

■ 非財務情報活用の活動
■ 非財務情報活用の活動
対象: ESG 専門部門設置済み、統合報告書開示あり、非財務情報活用を重視する41社。複数回答
(出所:アビームコンサルティング)

 非財務情報を管理するに当たっての障壁は何か。最も多かったのが「複数部門横断的な情報が多く、主管部門を定めづらい」だった。非財務情報と一口に言っても、CO2排出量、女性管理職比率、社外取締役比率など多岐にわたる。これらの情報が社内に散らばっており、主管部門が定まっていない状況だ。次いで多かったのが、「対象とすべき情報、データが不明瞭」だった。そもそも、管理すべき非財務情報が定まっていない企業も多い。

■ 非財務情報管理の障壁
■ 非財務情報管理の障壁
対象: ESG 専門部門設置済み、統合報告書開示あり、非財務情報活用を重視する41社。複数回答
(出所:アビームコンサルティング)