SOMPOホールディングスは2021年5月、新中期経営計画を策定した。「パーパス」を経営戦略の根幹に位置付け、過去最高益を目指す。

 「“安心・安全・健康のテーマパーク”により、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会を実現する」─。SOMPOホールディングスは新たにパーパス(存在意義)を定め、経営戦略の根幹に位置付けた。

 櫻田謙悟社長は、「安心・安全・健康というお客様が常に求めているものに対して、ソリューションを提供するプラットフォーマーになる」とパーパスを定めた背景を説明する。

 同社は21年5月、パーパスを実現するために21~23年度の新中期経営計画を策定した。23年度に、同社の独自指標である修正連結利益3000億円以上、修正連結ROE(自己資本利益率)10%以上を目指す。

 新中計では、「規模と分散の追求」「新たな顧客価値の創造」「働き方改革」の3つを基本戦略とした。例えば、新たな顧客価値の創造では、保険や介護といった事業で得られるデータを活用して新規事業の開発につなげる。20年6月にデータ解析大手の米パランティア・テクノロジーズに約540億円を出資し、21年3月にはデータプラットフォームの構築で契約した。

 まず介護分野でデータプラットフォームの構築に取り組む。既に20年から自社の介護施設で実証実験を実施している。今後、サービス品質や生産性の向上によって、介護人材の不足や社会保障費の増大といった社会課題を解決すると同時に収益に結び付ける。潜在市場は1000億円規模とみている。

 21年6月には、産業技術総合研究所と社会課題の解決で協定を締結した。まず介護の分野で協力する。

SOMPOホールディングスは、産業技術総合研究所と社会課題の解決へ向けた包括的な相互協力に関する協定を締結した。発表会に登壇した櫻田謙悟社長・グループCEO(最高経営責任者)
(写真:SOMPOホールディングス)

77%が「パーパスは有効」

 コロナ禍を経て、経営者がパーパスに注目するようになっている。

 KPMGが20年、世界のCEO(最高経営責任者)に実施した調査では、77%が「パーパスはステークホルダーのニーズに応えるために必要なことを理解するのに有効」と回答している。事業を通じて環境や社会課題の解決を目指す企業にとって、自社が何のために社会に存在するのか、パーパスを社員に理解してもらうことが重要になっている。

 SOMPOホールディングスは新中計の戦略として、社員一人ひとりがやりがいや幸せを実感し、生産性を大幅に高められるように働き方改革を推進する。社員個人のパーパスと企業のパーパスをひもづけるところが出発点になる。