企業が自然への依存度と影響を把握して開示する枠組みをつくるTNFDが発足した。ロンドン証券取引所のデータ専門家が共同議長を務め、2022年にはテスト開示も始まる。

 2021年6月に英国で開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、「2030年自然協約」が採択された。生物多様性が失われている中で、30年までに自然の損失を反転させ、「ネイチャー・ポジティブ」にすることを宣言したものだ。そのためには森林や農地、海洋などの自然資源の利用を持続可能なものへと移行し、金融界と産業界が「自然資本」に十分投資することが重要だとした。

■ 「G7 2030年自然協約」の主な内容
■ 「G7 2030年自然協約」の主な内容
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写真:AFP/アフロ
出所:外務省の資料を基に日経ESG作成

 世界の陸地と海洋の30%以上を保全・再生することも盛り込んだ。この30%には企業が管理する緑地や漁業管理地域など「民間と連携した自然環境保全(OECM)」も含まれ、企業による生物多様性配慮の活動を後押しする内容になっている。

 G7サミット前の6月4日には、「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」が正式に発足した。企業が事業活動を通して自然にどれだけ依存し、影響を与えているかを把握し、開示する枠組みをつくる役割を担う。国連や英国政府、金融機関が主導して立ち上げた。標準化した枠組みに沿って企業が情報を開示することで金融機関の投融資を促す。

■ 自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の概要
■ 自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の概要
出所:TNFDの情報を基に日経ESG作成