アサヒグループホールディングスは「麦わらストロー」の普及拡大に取り組み始めた。海洋プラスチック問題の解決を地域の活性化につなげるのが狙いだ。

 「ストロー」の語源である麦わらから作ったストローを普及させる取り組みが始まった。産官学民一体で設立した一般社団法人・広域連携事業推進機構が主催する「ふぞろいのストロープロジェクト」である。

 麦の茎から作る麦わらストローは、プラスチックストローが普及する以前に使われていたもの。手作業で加工するため大量生産が難しく、プラスチックストローに比べてコストが高いため、現在は地域の名産品などとして売られている。

麦の茎を乾燥、切断して作る麦わらストロー(左)。麦の種類や産地によって色合いや太さ、長さが異なる「ふぞろい」な点が特徴だ。麦わらストローの原料となる大麦畑(右)
(写真:大麦倶楽部(左)、アサヒグループホールディングス(右))

 海洋プラスチック問題が世界的に注目され、プラスチックストローの削減や紙ストローへの代替が進む。

 そうした中、アサヒグループホールディングスは、グループ理念の行動指針に掲げる「事業を通じた持続可能な社会への貢献」の一環としてプロジェクトに参画した。重点領域とする「環境」や「コミュニティ」への貢献を目指す。グループが持つ技術やノウハウ、ネットワークを生かし、麦わらストローの生産性向上や情報発信を支援する。

 プロジェクトの初年度は、製造方法や品質管理の確立、販路の開拓などに取り組む。まずは全国で1000万本を製造するのが目標だ。麦わらストローの加工工程の一部を福祉団体や就労支援施設に委託し、障がい者の自立も支援する。

 社団法人の代表理事を務める大麦倶楽部(福井市)の重久弘美社長は、「3年計画で進め、初年度に目標本数を取れるように努める」と言う。

 2021年8月を目途に環境問題に積極的に取り組んでいる飲食店などに販売し始め、その後、ECサイトでの販売も検討する。アサヒグループホールディングス事業企画部コーポレートチームの染谷真央氏は、「将来的にはビールの原料に使っている大麦からストローを作りたい」と言う。