競合する日用品メーカー大手がプラスチックのリサイクルで手を組んだ。リサイクルで先行するペットボトルをモデルに循環経済への移行を加速させる。

 2021年6月、ユニリーバ・ジャパンと花王が協働し、使用済みプラスチック容器の回収を始めた。東京都東大和市内の10カ所に回収ボックスを設置し、シャンプーやボディソープといった日用品の使用済み容器を集める。回収した容器を新品の容器にリサイクルする「水平リサイクル(容器から容器へのリサイクル)」の実現を目指す。

ユニリーバ・ジャパンと花王は、東京都東大和市内の10カ所に回収ボックスを設置し、使用済みプラスチック容器を集める。回収した容器は、リサイクル事業者のヴェオリア・ジェネッツが分別・洗浄・処理し、リサイクル技術を検証する
(写真:ユニリーバ・ジャパン、花王)

23年に容器に再生

 競合同士が手を組む背景には、プラスチックごみ問題に対する関心の高まりがある。使い捨てのプラスチック容器を大量に使うメーカーは、レピュテーション(評判)リスクや規制リスクを抱えており、対策の強化が急務になっている。

 ユニリーバ・ジャパン・ホールディングスアシスタントコミュニケーションマネジャーの新名司氏は、「『競争』と『共創』の領域をしっかり線引きし、『共創』の領域では密に連携しながら進めている」と言う。

 花王は20年5月に設立したリサイクル科学研究センターが中心となり、社外との連携を本格化している。今回のプロジェクトは、海洋プラスチック問題の解決を目指す企業連合「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」の中で積極的に発信し、広く参加を呼び掛ける。同センターの南部博美センター長は、「他のメーカーが加わる可能性もある」と話す。

 ユニリーバと花王は共に、中長期目標を掲げてプラスチックごみの削減に取り組んでいる。

 ユニリーバは、サステナビリティの長期行動計画「サステナブル・リビング・プラン」で、25年までにプラスチック包装容器を100%リユース可能、リサイクル可能、堆肥化可能にし、使用するプラスチックの25%を再生プラスチックにする目標を設定している。

 同社が販売する量より多くのプラスチック容器を回収・リサイクルすることも目指す。20年11月から、プラスチック容器の回収に協力してくれた消費者に、「LINE」などで使えるポイントを還元する「UMILE(ユーマイル)」プログラムを実施中だ。プログラムへの参加者は約2万人に達した(21年6月3日時点)。