ESG関連ファンドのパフォーマンスはどうか。ファンドのリスク(期待リターンのばらつき)に対するリターンの大きさを表す「シャープレシオ」について、ESG関連ファンドと他のファンドを比較している。時期によって数値が異なるため一概に評価することは難しいが、20年はESG関連ファンドとインデックスファンドはいずれも0.4で、アクティブファンドは0.3と、大きな差は見られなかった。

■ ESG関連ファンドのパフォーマンス
■ ESG関連ファンドのパフォーマンス
出所:金融庁「資産運用業高度化プログレスレポート2021」

 一方、明確な差が見られたのがファンドのコストだ。投資家は、ファンドの運用・管理コストを信託報酬として運用会社に支払う。ESG関連ファンドの信託報酬額の平均は、純資産総額に対して1.44%だった。アクティブファンドの1.23%、インデックスファンドの0.47%より高い。ESG関連ファンドはESG銘柄の調査や選定などにコストがかかることが理由と思われる。ESG関連ファンドは、コストに見合うリターンが求められている。

■ ESG関連ファンドのコスト(信託報酬額)
■ ESG関連ファンドのコスト(信託報酬額)
注:投資家が支払う信託報酬額で、純資産総額に対する割合
(出所:金融庁「資産運用業高度化プログレスレポート2021」を基に作成)

 ESG関連ファンドとその他のファンドのESGスコアの違いも調べている。独アラベスクのESGスコアを使ってファンドのESGスコアを算出したところ、ESG関連ファンドのスコアがその他のファンドをわずかに上回った。しかし、ESGとは関係ない日経平均連動ETF(上場投資信託)のスコアがESG関連ファンドを上回った。レポートでは、「ESGスコアに大きな違いは見られない」と結論付けている。

■ 国内株式型ファンドのESGスコアの比較
■ 国内株式型ファンドのESGスコアの比較
注:ファンドの組み入れ銘柄に対して独アラベスク社のESG スコアを付与し、各銘柄のESG スコアを組み入れ比率で加重合計した数値を、ESGスコアが付与された銘柄の組み入れ比率(ESG付与比率)で割って最終的なスコアを算出
(出所:金融庁「資産運用業高度化プログレスレポート2021」)

 金融庁の担当者は、「ESGを掲げるファンドは、顧客保護の視点が求められる」と指摘する。ESGに関して、銘柄選定、コスト、リターンなどの説明が重要になってくる。