力持つ個人株主を味方に

 Zホールディングスは20年と21年にハイブリッド出席型の株主総会を実践し、バーチャル株主総会の運営ノウハウを蓄えてきた。インターネットを活用することで株主との対話を充実させ、企業価値の向上につなげたい考えだ(下のインタビュー)。

 スマートフォンやSNSの普及によって、個人株主が力を持ち、株価を左右する時代がやってきている。今後、個人株主が株主総会で発言し、企業の経営判断に関わっていくようになる。こうした流れをつかめるか。インターネット時代の新しい株主総会の在り方が求められている。

総会運営の新標準つくる

株主総会で川邊健太郎社長がバーチャルオンリー株主総会の2022年の実施を明言し、定款を変更した。その狙いは。

尾崎 太 氏
尾崎 太 氏
Zホールディングス 法務統括部 株式企画部 部長

尾崎 太 氏(以下、敬称略) 我が社はインターネットを生業にしている。インターネットを使って世の中を変え、社会課題を解決することを目指している。インターネット時代における株主総会の運営も社会課題の1つだ。今は黎明期。型がないので、導入に踏み切れない企業が多い。他社も参考になるような、インターネット時代の株主総会の標準のようなものをつくりたい。

完全バーチャルだと、株主質問の取り上げが恣意的になったり、動議が無視されたりする懸念がある。

尾崎 インターネットを使って株主総会の対話を有意義にできないか、17年から検討してきた。そして新型コロナの拡大を機に、20年からハイブリッド出席型の株主総会を実践している。ウェブサイトに専用ページを設け、そこから質問や動議ができる。21年は414人の株主がオンラインで出席し、株主以外も1358人が視聴した。会場出席は10人である。

 株主質問や動議を受け付けるのは、株主総会開始から質疑応答の5分後まで。21年は28の質問が寄せられ、そのうち20問に回答した。時間内に回答できなかった質問は、その後ウェブサイトに回答を掲載している。質問は200文字以内とした。文字数を限ることで、質問したい内容がはっきりし、回答も明確になる。

 これまで使われたことはないが、動議を出す機能もある。動議は1人1つまで。動議が出された場合は、出席株主が賛否を表明し、採決できるようにしている。

 株主総会の成否は、会議でいえばファシリテーションのうまさにかかっている。参加者が納得感を得ながらスムーズに物事を決めるために、事前準備と事後フォローもこれまでとは異なる方法が必要だ。

株主対話の充実は、企業価値向上につながるか。

尾崎 数字を示すだけの株主総会とは一線を画したい。対話によって未来への取り組みに共感していただく。それがファンを呼び込み、長期株主と新たな株主を増やすことにつながる。対話の充実を企業価値向上につなげていく。

2021年の株主総会の様子。リモートからの参加を呼び掛け、会場参加の株主は10人だった<br><span class="fontSizeS">(写真:Zホールディングス(2点とも))</span>
2021年の株主総会の様子。リモートからの参加を呼び掛け、会場参加の株主は10人だった
(写真:Zホールディングス(2点とも))