スターバックス コーヒー ジャパンがカップのシェアリングプログラムを開始する。「脱使い捨て」をはじめとする環境への貢献をビジネスの成長に結び付ける。

 「25年前に(自分の)カップを持って歩く文化を導入した。これからは皆でカップをシェアする文化につながっていけばという思いを持って、まずは一歩踏み出す」。2021年6月、スターバックス コーヒー ジャパンの水口貴文CEO(最高経営責任者)は、日本上陸25周年のオンライン記者発表会でこう語った。

 同社は21年秋から、繰り返し使えるカップ(容器)のシェアリングプログラムの実証実験を東京・丸の内エリアで開始する。リユースカップでドリンクを提供し、飲み終わった後のカップを店舗で回収、委託先で洗浄後、再び使用する。

 スターバックスは3年前にプラスチックストローの全廃を宣言し、店舗で使用する使い捨てプラスチックの削減を進めている。21年4月には冷たい飲料23品目のカップをプラスチック製から紙製に切り替えた。今回のカップシェアも取り組みの一環である。これまで手つかずだった「フラペチーノ」用のプラスチックストローも、9月から順次、紙ストローに変更する。

 さらに12月には、サステナビリティに重点を置いた新型店舗を皇居外苑の和田倉噴水公園内に開く。手洗い水の循環利用や国産木材の積極採用、給水スポットの設置などを実施する。カップシェアも導入する予定だ。同店は、今後、他の店舗で必ず取り入れる環境対策を見極める役割も担う。

年100店を新規出店

 新型コロナウイルス禍で外食産業に逆風が吹いている。そうした中、スターバックスは年間100店舗の新規出店を続け、24年末までに国内の店舗数を2000店にする強気の構えを見せる。水口CEOは、「スターバックスが何のために存在しているかが明確になった1年半だった。リラックスしたい、人と会いたいというニーズは強まっている」と出店を継続する理由を説明する。

スターバックス コーヒー ジャパンの水口貴文CEO。人・環境・地域の3つを軸にした出店戦略を打ち出した。年100店を新規出店し、2024年末には「意義のある2000店舗をつくる」と意気込む
(写真:スターバックス コーヒー ジャパン)

 今後の成長へ向けて、「脱使い捨て」をはじめとする環境への貢献に加え、人や地域とのつながりを深める。人については、従業員一人ひとりが持つ能力や可能性を最大化する新たなキャリア制度を導入する。地域については、例えば再生可能エネルギーで発電した地域の電力を店舗で使用する。

 「地域とのつながりを持ち、人を中心としたビジネスを展開し、環境に貢献できる会社になる。この3つの軸とスケールを生かして意義のある成長を目指す」(水口CEO)

 スターバックスの出店戦略は、コロナ後の外食の在り方を占う試金石となるかもしれない。