キリンビバレッジは、「健康」と「環境」を軸にコロナ後の再成長を目指す。変革推進の主役となる社員が働きがいを感じられる風土づくりが鍵になる。

 キリンビバレッジは2021年10月、免疫機能の維持を支援する独自素材「プラズマ乳酸菌」を配合した2つの飲料を発売する。「キリン 午後の紅茶 ミルクティープラス」と「キリン 生茶 ライフプラス 免疫アシスト」だ。プラズマ乳酸菌入り飲料は、21年1~6月の累計販売数量が前年比5割増と好調に推移している。同社は、プラズマ乳酸菌入り飲料の年間販売目標を、当初予定から2割増となる500万箱に上方修正した。

 新型コロナウイルス禍による外出自粛を受け、清涼飲料市場も厳しい状況にある。CSV(共有価値の創造)を経営の中枢に据えるキリングループで、キリンビバレッジは「健康」と「環境」にコロナ後の再成長を期す。堀口英樹社長に戦略を聞いた。

キリンビバレッジは、免疫機能の維持を支援する独自素材「プラズマ乳酸菌」を配合した新商品を2021年10月に発売する。ヘルスサイエンス戦略を飲料で担う会社を目指して変革を推し進める
キリンビバレッジは、免疫機能の維持を支援する独自素材「プラズマ乳酸菌」を配合した新商品を2021年10月に発売する。ヘルスサイエンス戦略を飲料で担う会社を目指して変革を推し進める

「健康」と「環境」の領域を再成長の源泉に位置付けている。

堀口社長(以下、敬称略) 2021年の目標として「CSVを基軸としたポストコロナに向けた再成長」をスローガンに置き、これに合わせて企業活動を具現化していく。

 そのときに、なぜ「健康」と「環境」なのか。会社の持っている経営資源や強みと社会の課題とを照らし合わせて、いかに解決に結び付けられるか。健康と環境は、キリンビバレッジとして効果的に貢献できると判断して選んだ。

既存ブランドと両輪で

キリンビバレッジは、ヘルスサイエンス戦略を飲料で担う会社を目指している。変革をどう進めていくのか。

堀口 グループの中での役割が、ヘルスサイエンス領域において清涼飲料でけん引していくというふうに変わっていく。資源を集中させ、社員の意識を高めていく必要がある。

 具体的には、商品として今、 「iMUSE(イミューズ)」や「βラクトリン」を出しているが、これから先はもっと広い範囲でヘルスサイエンスに関わる研究開発に投資し、新しい価値をつくっていかなければいけない。ただし、既存の「午後の紅茶」や「生茶」が沈んでしまうのではなく、両輪で取り組む。長年培ってきたブランドの資産なので、引き続き価値を高めていく。

 そういう中で、従業員の意識が変わっていくことも大きなポイントになる。今、私から直接発信するメッセージに加えて、経営陣と従業員とで対話をしている。

 特にこのコロナ禍で九州から北海道まで場所にとらわれずに社員がリモートで対話に入れるようになった。5~6人一組で議論する形式で、我々8人の経営陣が対応している。21年はそれぞれ21回開催する予定で、全部で1000人と対話することを目指している。既に9回終えた。

 対話では、当社のポジショニングやCSV経営などについて議論して相互理解を深める。対話以外にもいろいろな機会を利用して理解を促進していく。