味の素は、多様なステークホルダーの視点を長期戦略の策定に生かす。アセットマネジメントOneでは、ESGウオッシュの監視役を担う。

 取締役が参加する「サステナビリティ委員会」を設置する企業が出てきた。味の素、アセットマネジメントOne、三井住友フィナンシャルグループなどである。取締役会を構成する指名、報酬、監査の3委員会と並ぶ位置付けでサステナビリティを第4の委員会とし、経営の中核にサステナビリティを据える。

■「 サステナビリティ委員会」を第4の委員会に
■「 サステナビリティ委員会」を第4の委員会に
これまで社長の諮問機関だったサステナビリティ委員会が、取締役会の委員会として位置付 けられるようになってきた

 日本でサステナビリティに関する委員会を設置している企業は多い。ただしこれは、経営会議にひもづく組織で、社長が情報収集に使ったり経営判断の参考にしたりするケースがほとんどだ。取締役会が参加するサステナビリティ委員会は、「議論の場」にとどまるのではなく、コーポレートガバナンスの中核に位置して、長期戦略の立案やESG目標の達成などに責任を持つ。

ステークホルダーで戦略議論

 欧米では既に同様の取り組みが進んでいる。米国S&P100と英国FTSE100対象企業の3分の1がサステナビリティ関連の委員会を設置している。海外のコーポレートガバナンスに詳しい日本総合研究所の山田英司理事は、「経営でESGやサステナビリティが重要な位置を占めるようになり、情報開示の要請も高まっている。こうした状況は欧米も日本も同じ。今後、日本で同様の取り組みが進むだろう」と予想する。

■ 欧米では設置が進む
■ 欧米では設置が進む
注:対象企業は、米国はS&P100、英国はFTSE100、日本はTOPIX100。
2019 年12 月時点
(出所:山田英司『ボード・サクセッション』)