富士通の時田隆仁社長

 19年9月に、「IT企業からDX(デジタルトランスフォーメーション)企業への転換」という新たな経営方針を打ち出したのが富士通だ。

 時田隆仁社長は、「新型コロナウイルスは、SDGsで示されている社会課題をよりはっきりと浮き彫りにした」と述べ、取り組みを加速させている。SDGsが示す課題は複雑に絡み合っており、解決が難しいものも多い。そこで、世界を俯瞰的に捉える視点を持ったグローバル企業やIT企業の役割が高まるとした。

 時田社長がデジタル時代のキーワードとして挙げたのが「信頼」だ。デジタル社会では、プライバシー保護やAIにおける倫理など、社会に信頼をもたらすという意識が欠かせない。社員の意識改革も進める。

 同社は20年7月、テレワークを中心とする働き方の新方針を打ち出した。現在のテレワーク率は約80%という。時田社長は、「働きやすさと生産性の両方を向上させるデジタル時代の新しい働き方のノウハウを世界に発信していく」と語った。

コロナ機に女性活躍

クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス会長で花王社長の澤田道隆氏

 社会課題として注目が高まっている海洋プラスチック問題や女性活躍についても議論された。

 海洋プラスチック問題については、異業種連携のクリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンスが取り組みを進めている。アライアンス会長で花王社長の澤田道隆氏は、「プラごみ問題は、現状システムの延長線上では解決できない。オールジャパンで解決に取り組み、具体的な解決事例を積み重ねて大きなムーブメントを起こしたい」と語った。

 余儀なくされたテレワークを、女性活躍の推進に生かそうと取り組みを進めているのが、大和証券グループ本社だ。常務執行役の白川春名氏は、「新しい働き方をゼロベースから考える機会になった。女性の視点を取り入れることで、生産性はより高まる」と語った。

 世界の注目企業は、コロナを「機会」にすべく、動きを加速している。