旭化成ホームプロダクツは、ジップロックをリサイクルして貸し傘にする活動を始めた。傘のシェアリングサービスを展開する企業などと組み、プラスチックの循環を進める。

 旭化成ホームプロダクツは、プラスチック製の食品保存袋「ジップロック」をリサイクルして傘にし、その傘をシェアリングサービスで提供する取り組みを、異分野の企業3社と共同で始めた。

 リサイクル事業を手掛けるテラサイクルジャパン(横浜市)が使用済みジップロックを回収してリサイクルし、ベンチャーのネイチャー・イノベーション・グループ(東京都渋谷区)が傘のシェアリングサービス「アイカサ」を運用。セレクトショップのビームス(渋谷区)がリサイクル傘のデザインを監修した。

ジップロックをリサイクルした傘
(写真:旭化成)
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 アイカサは急な雨で傘が必要な人が近くのスポットで傘を借り、好きなスポットで返却できるサービスだ。全国約700カ所のスポットに傘を設置し、サービスを展開する。ユーザー登録や傘の利用・返却はスマートフォンを活用。利用料は1日70円で、登録者数は10万人に上る。

日本では8000万本が消費

 使用済みジップロックの回収は2020年7月末に始まった。消費者がテラサイクルのウェブサイトに登録すると、集荷に来る。回収したジップロックは粉砕・洗浄し、ペレットにした後、フィルム状に加工して傘にする。1本の傘はジップロック約16枚分に相当。今回、傘を1000本製作した。

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リサイクル工程
(写真:テラサイクルジャパン)
傘シェアのサービスで提供(写真:旭化成)
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 アイカサは9月中旬から、ジップロックを使ったリサイクル傘のシェアリングサービスを、西武鉄道池袋線の26駅を中心に開始した。

 今回の取り組みで、プラスチック製ジップロックのリサイクルだけでなく、使い捨てビニール傘の廃棄問題解決への貢献も狙う。日本では年間8000万本の使い捨てビニール傘が消費されている。アイカサの傘シェアリングにより新たなビニール傘の購入や廃棄の削減が期待できる。

 重視したのはデザインの力だ。ビームスは「使いたいと思わせるデザインやライフスタイルを提案することが我々の使命」と話す。「リサイクル、シェアリング、デザインの工夫で、プラスチックが循環する社会を消費者が考えるきっかけにできたら」と旭化成消費財マーケティング室室長の坂元善洋氏は言う。