左からエスピノザ気候変動枠組み条約事務局長、グテーレス国連事務総長、シャルマCOP26議長(写真:UNFCCC_COP26_11Nov21_HighLevelGlobalAction_KiaraWorth-1)
左からエスピノザ気候変動枠組み条約事務局長、グテーレス国連事務総長、シャルマCOP26議長(写真:UNFCCC_COP26_11Nov21_HighLevelGlobalAction_KiaraWorth-1)

 英グラスゴーで開催した気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)は最終日となる12日、閉会の期限としていた午後6時が、交渉決着の最後の木槌が下りることなく過ぎていった。日本政府交渉団の1人は「今晩(12日夜)や明日朝の決着となるだろう。決着しない議題もあるかもしれない」と話した。透明性(パリ協定13条)、市場メカニズム(同6条)、COP決定などの「カバー決定」、資金動員目標について交渉の収束を見ていない部分があり、交渉が継続している(関連記事はこちら)。

 この日朝から、合意内容に関する最新の議長提案が公開された。10日発表の議長案に盛り込まれ、注目された「石炭と、化石燃料に対する補助金の段階的廃止」を締約国に求めるという一文は、「クリーンな発電を急速に拡大」することや、「CO2削減策を施していない石炭火力と、化石燃料への非効率な補助金の段階的廃止」といった文言に変わった。

 さらに、「技術の開発、展開、普及、低排出なエネルギーシステムへの移行の加速を求める」と追記された。2日前の案に比べて、書きぶりがより具体的になった。ただ「CO2削減策のない石炭火力発電」について、どのような削減策が対象となるのかは「まだ決まっていない」(政府交渉団)。

 例えばCO2回収・貯留(CCS)付きであることを指すのか、水素やアンモニアの利用を指すか、それとも高効率の火力発電技術を指すか不透明だ。「解釈は各国にゆだねられているのが今の相場観。COP26で定義する流れはない」(同)。同様に「非効率な補助金」について、「非効率」の定義も定まっていない。議長案について各国の代表が意見を述べた午後の全体会議では、日本は一部で修正があれば議長案を支持するとしたうえで、文書によるコメントも提出している(どのような内容に関するコメントは明らかではない)。

 午後の全体会合が始まるとき、アロック・シャルマ議長は「友人たち、今こそよりクリーンで、より健康で、より豊かな世界を築くチャンスだ。COP26開始時に各国のリーダーが求めた高い野心を実現する時だ」と話したが、これからの議論で、果たしてどのような合意を導けるかに世界の注目が集まっている。