2030年に1000億円

 素材メーカーでも循環型経済への移行が進む。積水化学工業は21年9月、資源循環方針を策定した。資源循環に資するイノベーションの推進、非化石由来や再生材料の使用拡大、廃棄物のマテリアル(原材料など)への再資源化の最大化─の3つの柱がある。

 ESG経営推進部部長の西山宏喜氏は、「資源循環は成長戦略の1つ。先進的なお客様は、(非化石由来や再生材料に)原料を転換した製品を要求するようになっており、それに応えることが競争優位につながる」と言う。非化石由来原料を使った製品は、脱炭素に取り組む企業からの需要も期待できる。そうした需要を取り込み、事業の成長を狙う。

 30年までの具体的な数値目標も定めた。例えば、原料を非化石資源や再生材に転換した製品の売上高を、25年までに100億円、30年までに1000億円に引き上げる。

 目標を達成するためには製品開発を進めるとともに、需要をつくることが欠かせない。積水化学工業は、海洋プラスチック問題の解決に取り組む企業連合クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)などを通じて、資源循環に資する製品の価値を認めてもらえるよう働きかけていく。

■ 積水化学工業の資源循環方針に基づいたロードマップ
■ 積水化学工業の資源循環方針に基づいたロードマップ
※:2020年度比
積水化学工業は、環境や社会課題の解決に大きく貢献する製品を「サステナビリティ貢献製品」として認定している。このうち、資源循環に資する製品の売上高を2030年度に20年度比2倍以上にする
(出所:積水化学工業)
再生材料を使った雨水貯留材「クロスウェーブ」(左)と、工事での廃棄物を削減しながら老朽化した下水道を更生する「SPR工法」(右)<br><span class="fontSizeS">(写真:積水化学工業)</span>
再生材料を使った雨水貯留材「クロスウェーブ」(左)と、工事での廃棄物を削減しながら老朽化した下水道を更生する「SPR工法」(右)<br><span class="fontSizeS">(写真:積水化学工業)</span>
再生材料を使った雨水貯留材「クロスウェーブ」(左)と、工事での廃棄物を削減しながら老朽化した下水道を更生する「SPR工法」(右)
(写真:積水化学工業)

 循環型経済をビジネスチャンスに結び付けるには、企業が自ら価値を創り出し、需要を開拓する強い意思と行動力が必要だ。