米ウォール・ストリート・ジャーナルのサステナブル経営調査でソニーが首位に立った。企業の公開情報を収集・分析し、世界の8800以上のメディア情報も採点に組み込んだ。

 米ダウ・ジョーンズが発行する米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は2020年10月、世界の上場企業約5500社のサステナブル経営のランキングを発表した。ESG評価を手掛ける独アラベスクと共同で調査した。首位に立ったのはソニーだ。100位以内に日本企業が16社入り、米国に次いで多かった。海外企業では、蘭フィリップスや米シスコシステムズが上位に名を連ねた。

■ ウォール・ストリート・ジャーナルのサステナブル経営企業ランキング
■ ウォール・ストリート・ジャーナルのサステナブル経営企業ランキング
注:日本企業を中心に上位50社の主な企業を掲載

 WSJとアラベスクの調査は今回が初めてで、AI(人工知能)の活用や世界のメディア8800以上が報じた企業情報も評価に加えた点が特徴だ。具体的には、企業の公開情報を基に、「環境」「人的資本」「社会資本」「ビジネスモデル/イノベーション」に分け、「方針」「取り組み」「パフォーマンスのモニタリング体制」を採点。人的資本では従業員への対応や職場環境、社会資本では社会課題への対応や製品・サービスを評価した。

SASBを活用、AIで分析

■ 採点方法
■ 採点方法

 合計165項目のデータを確認し、「サステナビリティ会計基準審議会(SASB)」の枠組みを活用し、業種に応じて採点の重みづけを変えた。SASBは業種ごとに財務に影響を及ぼす重要なESG項目を定めており、そこに重みを付けた。ソニーはハードウエア企業で重要な「部品の持続可能な調達」と「データセキュリティ」の項目でスコアを伸ばした。

 165項目のデータ収集と採点は、公開されているESG情報を収集してAIで採点するアラベスクの「S-Ray」を活用した。公開情報の更新が少ない企業の採点を補完するため、世界のニュースを検索できるダウ・ジョーンズのデータベース「FACTIVA(ファクティバ)」も利用した。8800以上のメディアから企業のサステナビリティ関連ニュースを分析し、採点に組み込んだ。

 評価するのは企業の取り組みや体制に限られるため、例えば温室効果ガスなら削減対策や体制は評価されるが、同業他社より排出量が少ないかは評価されない。この調査ではSASBの枠組みで開示している企業には総じて有利な採点になった。ただ、SASBは投資家が欲しい情報を開示する枠組みだけに、投資家もランキングに高い関心を示しそうだ。