食品や日用品の容器をリユースする動きが広がってきた。サーキュラーエコノミーの実現へ向けて共創も進んでいる。

 スターバックス コーヒー ジャパンは2021年11月、カップ(飲料用容器)をリユース(再使用)するシェアリングプログラムの実証実験を開始した。飲み終わった後のカップを店舗で回収し、委託先で洗浄して再び使用する。第1弾として東京都内の10店舗で展開する。対象店舗ならどの店舗でも返却できる。30年までに廃棄物を50%削減するグローバルの目標を達成する一環である。

環境貢献を「見える化」

 仕組みはこうだ。顧客は商品を受け取る際にカップに記載されたQRコードをスマートフォンで読み取る。カップを返却する際は返却場所に掲示してあるQRコードを読み取る。NISSHA(京都市)とNECソリューションイノベータが開発したサービスを活用する。

 スマホのアプリを使ったDX(デジタルトランスフォーメーション)によって、誰がどの店舗で購入し、返却したか一連の行動を記録する。行動を分析し、サービスの改善につなげる。さらに、廃棄物やCO2排出量の削減効果を「見える化」する。顧客が環境への貢献を実感できるようにし、カップシェアの利用を促す。

繰り返し使えるステンレスカップで飲料を提供するスターバックスの店舗
繰り返し使えるステンレスカップで飲料を提供するスターバックスの店舗
廃棄物の削減効果をスマホで「見える化」する<br><span class="fontSizeS">(写真右:スターバックス コーヒー ジャパン)</span>
廃棄物の削減効果をスマホで「見える化」する
(写真右:スターバックス コーヒー ジャパン)

 スターバックス コーヒー ジャパンサプライチェーン本部サステナビリティ&資材購買部の古川大輔部長は、「ライフサイクル全体でCO2排出量が少なくなるプログラム」と言う。同社は今後の成長戦略の柱の1つに環境への貢献を掲げる。21年12月1日には、リユースを基本として廃棄物を大幅に減らす環境配慮型の新店を皇居外苑和田倉噴水公園にオープンした。環境意識の高い若者の共感を呼び、ファンを拡大する狙いだ。

 22年1月以降は、スターバックス以外の飲食店にもカップシェアプログラムを拡大する計画である。他社との共創が進み、返却できる店舗が増えれば顧客の利便性が高まる上、リユース文化の定着も期待できる。

 容器のリユースでは、21年5月に始まった「Loop(ループ)」のサービスが先行している。味の素や資生堂などが参画し、リユース容器を使って食品や日用品をイオンの店舗とECサイトで販売中だ。今後は、ホテルやレストラン、オフィスビルなどで使うヘアケア用品や洗剤といった業務用商品の容器のリユースにも取り組む。本格サービスの展開に向けて既に調査に着手した。東急不動産や富士ボトリング(神奈川県大井町)などが参画を表明している。

 サーキュラーエコノミーでビジネスを拡大するには、共創の輪に入ることが第一歩になる。