「ESG経営」を最重要視

「ハード・ソフト・サービスを融合し、幸せを提案」「ESG経営のリーディングカンパニーに」「積水ハウステクノロジーを世界のデファクトスタンダードに」と3つのサブビジョンを掲げていますが、とりわけ重視されている視点はどれでしょうか。

仲井 最も重要なのはESG経営でしょう。他の2つのビジョンを達成するためにも、サステナブルな企業でなければなりません。特に当社は消費財ではなく、お客さまに長年にわたって住んでいただく耐久財を提供しているわけですから、長く存続する使命があります。

 「積水ハウステクノロジーを世界のデファクトスタンダードに」は、そもそも工業化住宅のビジネスモデルは日本にしかないもので、中でも当社は60年間、地道に住宅について研究を進めてきました。住宅の提供の仕方を含めて培ってきたノウハウを、既に世界にも展開しているところです。

■ 積水ハウスのグローバルビジョン
■ 積水ハウスのグローバルビジョン
出所:積水ハウス
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環境問題にも注力されています。

仲井 1997年の京都議定書で、住宅部門のCO₂排出量が右肩上がりなのを知って驚きました。そこで当社では2年後の99年に「環境未来計画」を発表しました。住宅全体の断熱性の向上に努め、2005年にはCO₂の排出量を30%削減した住宅を、09年には同じく50%削減した住宅を開発しています。

 窓を小さくすれば容易に断熱性を上げることができますが、独自の技術開発により、窓を大きくして開放感という快適性を追求しながら断熱性を高めるといった、相反する効果を両立させました。こうした技術革新を20年間積み重ねて誕生したのがエネルギー消費を実質ゼロにするZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)であり、20年度は新築戸建て住宅での比率91%、累積6万棟を達成しています。

 京都議定書後、地球温暖化防止の取り組みは下火になっていましたが、15年のパリ協定で再び注目を集めたのが追い風となりました。当社の提案を受け入れてくださるお客さまが増えていることが、この91%という数字に表れているといえます。