働き方の見直しで生き方を再考

人権の尊重、多様な人材の活躍にも注力していますね。

井手 コロナ禍で働き方の見直しが行われましたが、それは生き方を見直すことでもありました。そして大切なのはやはり人権だということに至り、20年12月に「IHIグループ人権方針」を定めました。働く人々の健康で安全な職場を確保し、基本的な権利を尊重する。サプライチェーン・マネジメントを強化し、グローバルで一元的に人権リスクを管理できる体制を構築していきます。

 強制労働や児童労働といった人権侵害のリスクはどこに潜んでいるか分かりません。積極的に自分たちから調査していく必要があります。今、サプライチェーン上の取引先に対して人権調査の準備を進めています。

 多様な価値観やバックグラウンドを持った人材こそがイノベーションの源泉です。これは経営の重要課題です。20年から社内副業という公募制度を設け、審査を通ったアイデアの実現に勤務時間の最大20%まで時間を使ってよいことにしました。この活動を通じて社内にどんな人がいるか知るきっかけになりますし、エンジニアならその幅が広がります。他にセカンドジョブ制度も導入しました。

DX(デジタルトランスフォーメーション)にも積極的ですね。

井手 火力発電所のボイラーの運転・保守支援を高度化するシステムを北海道電力と共同開発したり、大量の部品が流れるエンジン工場で工程を可視化して棚卸資産を削減したり、DXによる効果がいろいろなところで出始めています。まだ十分ではありませんが、デジタルを使っていかに楽しく働けるか、そんな方向に持っていきたいと考えています。