聞き手/藤井 省吾(日経BP 総合研究所副所長)

脱炭素・循環型社会へのシフトが進む中、中期経営計画を見直した。事業ポートフォリオを大幅に転換し、カーボンニュートラルへの流れを加速する。

2021年5月に中期経営計画の見直しを発表しました。その意義を教えてください。

中本 肇(なかもと・はじめ)
中本 肇(なかもと・はじめ)
出光興産 常務執行役員
1961年山口県生まれ。84年早稲田大学商学部卒業後、出光興産入社。販売、原油・石油製品のトレーディング、財務・経営企画業務に従事し、電子材料部門・リチウム電池材料部門における部門長を経て、2018年より上席執行役員。20年4月より現職(写真:大槻 純一)

中本 肇 氏(以下、敬称略) 日本政府による50年カーボンニュートラル宣言により一気に脱炭素への関心が高まるなど、事業環境が急激に変化しています。そうした中、化石燃料ビジネスを主体とする当社では中長期戦略の再構築と、打ち手のスピードアップが必要であると考え、中期経営計画の見直しを実施しました。この中で大きなポイントとなるのは、今後想定される脱炭素・循環型社会へのシフトと高齢化にどう対応するかということです。こうした社会課題解決への貢献とエネルギーの安定供給は当社の責務と認識し、新たなビジョンとして「責任ある変革者」を掲げました。事業と社会課題をマッチングさせ、社会的責任を担う事業者として問題解決に取り組む構えです。

「見直し中計」において事業ポートフォリオの転換を開示しています。その内容はどのようなものでしょうか。

中本 化石燃料事業での収益が大きく、全体の8割強を占めています。この依存度を10年で半分近くまで下げることを目標に、事業ポートフォリオを大幅に転換していきます。具体的にはリチウム電池材料や有機EL材料、アグリバイオなどの「先進マテリアル」「次世代モビリティ&コミュニティ」「再生可能エネルギー」のカテゴリーで利益の4割を構成できるようにしたいと考えています。

■ 将来に向けて事業ポートフォリオを転換
■ 将来に向けて事業ポートフォリオを転換
出所:出光興産