ESG関連の投融資についてお話しください。

樋口 ESG投資は、インテグレーション、エンゲージメント、ポジティブインパクトの3つの観点で考えています。気候変動や人権の尊重などを投融資の判断に織り込み、建設的な対話を重ねてCO₂排出削減の技術開発を積極的に進め、社会課題解決に資する投融資を行っています。

自然資本の持続可能性向上への取り組みはどうでしょうか。

樋口 企業活動は、山や川、大気、生態系など自然資本に依存する側面があります。数十年先も地球環境を維持していくために、自然資本の劣化を防ぐ商品やサービスを提供することで、顧客や社会のレジリエンスを高めていきます。

 例えば自然資本を評価して、リスクを測定し、最終的には自然資本会計への転換を支援していますし、水の枯渇や洪水、汚染などのリスクを評価し、事業活動への影響や対応をコンサルティングしています。

各国に最適なサービスを考案

生物多様性にも積極的に取り組んでいます。

樋口 08年から「企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)」に会長企業として参画しています。国際的な観点から、生物多様性の保全に関する研究を共同で行い、その活動を推進しています。

 さらに、30年に向けた成長戦略として、「CSV×DX×グローバル」を打ち出していますが、サステナビリティもこれにリンクします。社員の啓発を目的とした「サステナビリティコンテスト」を毎年開催しており、20年の優秀賞にはインドでの取り組みが選出されました。

 保険に接する機会が少ないインドの中小都市や町村部に小さな店舗をたくさん作り、アクセスできるようにしたのです。また19年は、マレーシアの先住民に住居を提供し、それに火災保険を付帯するという取り組みが優秀賞に選ばれています。

■ マレーシア先住民向け専用住宅の火災保険を提供
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(出所:MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス)
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マレーシア先住民向け住宅建設の様子
マレーシア先住民向け住宅建設の様子

 国や地域によって社会課題が異なるため、CSVの考え方も違います。顧客に寄り添いながら、役立つ商品やサービスを考案し、提供していくことが社会の発展と会社の利益両方に寄与すると考えています。