聞き手/斎藤 正一(日経ESG経営フォーラム事務局長)

環境ニーズを追い風に、主力のリユース・リサイクル事業、化学品事業が好調に推移する。2021年12月、東証ジャスダック、名証2部への上場を機にESG経営をより加速する。

「誠実に 確実に」を社是とし、「環境ニーズを創造する」をテーマに事業を展開しています。同業他社にはない強みは何でしょうか。

柳 均(やなぎ・ひとし)
柳 均(やなぎ・ひとし)
三和油化工業 代表取締役社長
1999年東海大学工学部卒業後、同年4月三和油化工業に入社。2005年取締役経営企画室長、同年北陸先端科学技術大学院大学修士課程修了、08年常務取締役、10年専務取締役、12年代表取締役社長(現任)。20年より北陸先端科学技術大学院大学客員教授(現任)を兼務(写真:上野 英和)

柳 均 氏(以下、敬称略) 1970年創業の当社は、自動車産業が盛んな愛知県において、機械の作動油や金属加工油など油剤製品の製造・販売から出発しました。自動車事業でのモノづくりの力を基盤として、現在大黒柱となっているのがリユース・リサイクル事業です。この事業で扱う産業廃棄物は、通常焼却や埋め立て処分をされますが、製造メーカーを生い立ちとしているため産廃を「資源」と捉え、価値あるものへと再資源化しています。そのために他社にはない技術を磨いてきました。

 2000年以降は、高付加価値なモノづくりを追求し、化学品の知見とノウハウを生かして電子材料の製造にも注力してきました。この化学品事業はIoT、AI技術の普及や自動車のEV化に伴って右肩上がりとなり、リユース・リサイクルの環境事業と双璧をなす事業に成長しています。我々が掲げるミッション、ビジョン、バリューを根幹とし、強みであるこれらの事業を「誠実に 確実に」推進することがサステナブルな社会に寄与すると考えています。

18年度に策定した中長期計画「VISION 2023」について、現状での評価を教えてください。

本計画は前半の3年間を「基盤づくり」、後半の3年間を「成長」と位置づけています。前半はジャンプのための土台づくりとして、本社エリア、東日本、西日本での工場3拠点体制を構築しました。また、収益力の向上に力を注ぎ、3年間で営業利益を倍増することができました。

 特に好調だったのは、環境事業でいうと、溶剤や酸、金属などの高品質な再生製品で、SDGsなどの観点から需要が伸びています。製造業を中心とする大手企業が脱炭素への対応を本格化する中、産廃の燃料化にも注目が集まっています。これは、回収した廃油や廃溶剤を再生燃料にするというものです。石油や石炭を燃料としているセメントや石灰メーカーなどの工場で代替燃料として使用することでCO₂削減や循環型社会に貢献できるため、非常にニーズが高まっています。炭素税導入に備えて再生燃料を求める企業とともに、共同開発する取り組みも増えています。

 化学品事業では、脱炭素社会の重要な資材となる半導体やリチウムイオン電池向けの電子材料が活況です。後半の3年間は、この環境事業と化学品事業をより拡充していきます。