CSO設置でESGのレベルが向上

20年6月にCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー)を設置しました。どんな成果がありますか。

川村 CSOはCEO(最高経営責任者)、CFO(最高財務責任者)とともにグループを横断的に管轄しています。従来は事業会社ごとに活動にばらつきがありましたが、CSOの設置によってグループ全体が一定レベルを維持しながらESGの課題に取り組めるようになりました。

 例えば、持続可能な調達のためには、サプライヤーの状況を調査し、環境や人権のリスクを低減するようコミュニケーションを取ることが必要です。サプライヤーは違っても、食品事業、医薬品事業においてその内容は共通します。現在、2巡目の調査を進めているところですが、取り組みを横展開することで、全体のレベルを上げることができています。

 また、CSOが経営会議に参画することで、経営計画に必ずサステナビリティの視点が入るようになりました。CSO設置はROESGに直結する取り組みだったと評価しています。

ネスレやダノンなど食品分野のグローバル企業はESGの先進企業です。こうした企業に伍していくには何が必要だと考えますか。

川村 グローバル企業に比べ、当社はESG活動の歴史や成熟度が不足しています。今は全体のレベルを上げることに注力するとともに、先進企業をベンチマークして、世界の動向にはアンテナを張ります。

 例えば、国際的な脱炭素の取り組み「酪農乳業ネットゼロへの道筋」という新たなイニシアティブがスタートしようとしています。私たちも情報を収集し、国内の酪農家をサポートしていくつもりです。

傘下のKMバイオロジクスが、新型コロナウイルス感染症ワクチンを開発中です。

川村 現在、最終段階の治験を行っています。良い結果が出れば22年度中にも供給を開始できると、生産体制の整備など準備を進めています。高い安全性を備え小児などにも打てるワクチンです。パンデミック克服に向けた役割を果たすことを期待しています。